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「田中碧獲得は失敗」デュッセルドルフに批判集中。ブンデスへの放出論も

田中碧 写真:Getty Images

 日本代表MF田中碧は負傷離脱により、一足早く今シーズンを終了。ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフ退団の可能性が報じられる中、現地メディアが同選手の不調に厳しい意見を投げかけた。

 田中は2021年6月に川崎フロンターレからデュッセルドルフへレンタル移籍すると、昨年4月に100万ユーロ(当時約1億4000万円)の買い取りオプション行使により、完全移籍へ移行。今季は序盤から主力選手として活躍すると、FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)ではスペイン戦で決勝ゴールをあげるなど鮮烈なパフォーマンスを披露していた。

 しかしカタールW杯後は低調なパフォーマンスを露呈。今年3月に一時スタメンを外れると、4月9日のリーグ戦で右膝内側靭帯を断裂。本人は今季中の復帰に意欲を見せていたが、結局今月28日の最終戦に間に合うことはなかった。

 デュッセルドルフはブンデスリーガ昇格候補として期待されていたものの、昇格プレーオフ圏内の3位ハンブルガーSVから勝ち点8差の4位で終了。現地では所属選手やクラブ幹部への批判が相次いでいる。

 そんな中、ドイツ誌『ビルト』も「デュッセルドルフのクラウス・アロフス取締役は1500万ユーロ(約23億円)の補強予算で、ドイツ2部リーグで最も高価なチームを編成したが、トップに立つことはなかった」とデュッセルドルフを酷評。

 「今季の酷い成績は、主にアロフス取締役が獲得した選手の不調によるものだ」と綴るなど、昨季終了後の新戦力獲得や田中の買い取りオプション行使の成果が現れなかったと主張する。

 また田中については「田中はカタールW杯出場選手として、さらなる活躍が約束されていた。しかし約束通りの結果を出せず、アロフス取締役にとって不運だった」と、シーズン後半戦の不調を指摘している。

 なお田中の去就については、「500万ユーロ(約7億1200万円)の退団条項は今月末で切れるが、今季の不調ぶりを見れば、どのクラブもそれだけの金額を払わないことは予想できる。300万ユーロ(約4億4000万円)で移籍できることは、選手にとっても利益になる」と伝えるとともに、デュッセルドルフが同選手の売却に前向きとの見方を示している。

 また英メディア『90min』ドイツ版は今月中旬、アイントラハト・フランクフルトの補強計画を特集。これによると、フランクフルトは日本代表MF鎌田大地の後釜としてホッフェンハイム所属MFクリストフ・バウムガルトナーに関心を寄せていた模様。しかしホッフェンハイムとバウムガルトナーの契約に3000万ユーロ(約44億円)の契約解除条項が設定されているとのこと。フランクフルトは高額だと判断し、バウムガルトナーの獲得を諦め、ターゲットを田中に切り替える可能性があるという。