Jリーグ アルビレックス新潟

新潟サポーターがネスカウに誹謗中傷DM「給料泥棒」G大阪戦前に物議

グスタボ・ネスカウ 写真:Getty Images

 アルビレックス新潟は28日開催の明治安田生命J1リーグ第15節で、ホームにガンバ大阪を迎え撃つ。そのG大阪戦を前に、ブラジル人FWグスタボ・ネスカウに対する誹謗中傷DM(ダイレクトメッセージ)が物議を醸している。

 同選手は今年1月にブラジル1部クイアバECから新潟へレンタル移籍。2月26日のJ1第2節サンフレッチェ広島戦でデビューしているが、来日1年目の今季はここまで先発出場がわずか3試合。ただ今月24日のYBCルヴァンカップ・アビスパ福岡戦で来日初ゴールをあげるなど、徐々に本来のパフォーマンスを発揮しつつある。

 そんなネスカウへの誹謗中傷は、新潟市内に構える理容店にインスタグラム投稿で明らかに。理容店のスタッフは真剣な表情を見せるネスカウの様子アップすると「以前、負けた試合の後、ネスカウのInstagramにサポーターの方から直接DMが届き、彼は自分でその文章を翻訳したみたいです」とし、DMの内容が「給料泥棒」という文言だったことを明かす。

 これによると、選手本人は「大丈夫?クラブに相談した?」という店側の心配に対して、「ブラジルでは普通だから大丈夫だよ」と答えたとのこと。

 理容店のスタッフは「来日してから今までネスカウ自身も思うような結果が残せていなかったので、批判されることも当然あるだろうというのは本人も覚悟していたとは思いますが、選手本人に直接DMで誹謗中傷のような内容で批判するのは良くないことだと思います」

 「初めての海外挑戦、慣れない環境での生活、言語や文化の違い、さまざまな困難を乗り越えながら、必死にチャレンジしています。積極的に日本語を使ってコミュニケーションをとるようにしたり、辞書で日本語の意味を調べて勉強したり、当たり前かもしれませんが毎日努力しているそうです」

 「もちろんたくさんのサポーターの方達が、助っ人として彼に大きな期待をしていることも理解しています。ですが、誹謗中傷のような内容の批判の言葉をかければ、彼は奮起して活躍をするのでしょうか?たくさんゴールを決めてくれるのでしょうか? 僕はそうは思いません」

 「あたたかい言葉で励まして、たくさんの愛情をもって接してもらえたら、きっと彼は今まで以上にサポーターの方達の期待に応えようと一生懸命頑張ってくれるはずです」

 「ネスカウだけではなく、チームの成績や個人のパフォーマンスが良くない時に、誹謗中傷のような内容のDMが届くということは、たくさんの選手達から聞いていました。彼らも僕達と同じように、嫌なことを言われれば傷つくし、落ち込みます。DMだけでなく、スタジアムで大声で誹謗中傷のような内容の批判をされたら嫌な気持ちになります」

 「僕が言うことではないかもしれませんが、今後は誹謗中傷のような内容の批判ではなく、愛のある言葉で、心の通ったコミュニケーションで、選手達を叱咤激励していただけたら彼らも嬉しいと思います。これからもたくさんの愛に包まれたスタジアムで『日本一のサポーター』の方達に支えられて躍動する選手達の活躍を楽しみにしています」と綴っている。

 この理髪店の投稿には、多くの新潟サポーターが賛同のメッセージを寄せているほか、ネスカウ本人も「Obrigado meu amigo(友よありがとう)」と感謝の思いを伝えている。

 JリーグではSNSを通じての誹謗中傷や差別投稿が度々問題となっている。今回の一件をうけて、関係各所がどのような対応を見せるのか注目が集まる。