高校サッカー

高校サッカー選手権決勝、岡山学芸館vs東山、勝負を決めたのは【試合分析】

岡山学芸館高校 MF木村匡吾 写真:Getty Images

勝負を決めたのは165㎝のダイナモ

前半からその運動量で東山の攻撃を消し続けてきた岡山学芸館のMF木村匡吾。ゴール前へ走りこんだのは後半7分だった。

岡山学芸館らしい左サイドでの崩しからDF中尾誉が中へクロスを上げる。クロスを待っていたのはエースであるFW今井ではなく、その木村だった。東山ディフェンス陣もまさか木村が走りこんでくるとは思わなかったはず。165cmのダイナモ(中盤で運動量が豊富な選手)が体を精一杯伸ばして決めたゴールは貴重な勝ち越しゴールとなった。

東山もここで終わる気は毛頭ない。MF真田とMF松橋が中盤でボールをコントロール。左右にボールを振り、右サイドからMF阪田澪哉が何度も仕掛ける。しかし、岡山学芸館のディフェンスは集中を切らさず東山の攻撃を跳ね返し、なかなかゴールを割ることができない。後半29分、MF真田のクロスに対し、MF阪田が頭で合わせるもクロスバーをたたく。

フィナーレとなったのは、後半39分。またしてもダイナモ木村が輝いた。DF福井槙のロングスローからファーサイドへボールが流れる。そこに木村はいた。ダイレクトでボールに合わせたシュートは東山ゴールに吸い込まれていく。応援席へ駆け寄り喜びを爆発させる岡山学芸館イレブン。走り続けた男に最高のゴールが生まれた。

残り時間、東山は何度もボールを岡山学芸館ゴール前へ運ぶも、無常にもタイムアップの笛は吹かれる。岡山学芸館が、選手権5度目の出場で初の選手権制覇を成し遂げた。


東山高校 DF新谷陸斗 写真:Getty Images

まだまだ続くサッカー人生

敗れた東山のサッカーも素晴らしかった。攻撃と守備のバランスが良く、そのチームを主将DF新谷がまとめた。自身のオウンゴールで先制点を許したDF新谷。並みの選手であれば、失点後はミスを恐れてプレーが消極的になる。しかし新谷はそんなプレーを一切見せず、冷静にボールを繋ぎ、岡山学芸館の攻撃を何度も止めた。

試合後のミックスゾーンで「東山は決勝に来たことがなかったし、歴史を作れたことを誇りに思う。先輩方が作ってくれた歴史に名を刻めたと思うし、負けたことは悔しいけど誇りに思いたい」と話した新谷。彼のサッカーはこれからも続く。

ページ 2 / 2

名前:KIRA

趣味:サッカー、筋トレ、ワイン
好きなチーム:鹿島アントラーズ
大学までサッカーを現役でプレー、今は会社員として週末に社会人リーグでプレー。戦術解説をメインに皆さんにサッカーを「もっと好き」「もっと楽しんでもらえる」をモットーに頑張ります!

筆者記事一覧