プレミアリーグ ノッティンガム・フォレスト

主流となるか?バルサとノッティンガムに共通する先駆的動きとは

ブレナン・ジョンソン (左)アンス・ファティ(右)写真:Getty Images

プレミアリーグ現時点19位のノッティンガム・フォレストが、日本時間12月22日に、あるニュースを発表した。国連の難民機関である英国UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とパートナーシップを結び、支援活動の一環としてユニフォームに「UNHCR」のロゴを記載するという内容だ。

2023年1月2日(日本時間1:30キックオフ)のプレミアリーグ第18節チェルシーとの試合から、ノッティンガム・フォレストの選手たちはロゴ入りのユニフォームを着用し、2022/23シーズン終了まで胸にUNHCRを携えてプレーをすることになる。

先駆けてはラ・リーガのバルセロナ(バルサ)が2022年7月から同じロゴ入りのユニフォームを着用。バルサは2006年から、利益よりも国際問題の解決を優先にしてUNICEF(ユニセフ)(国連児童基金)と契約を結んできたことでも知られる。この動きは、今後サッカー界で主流となるのだろうか?


バルセロナ(2006)写真:Getty Images

すべてはここから始まった!先駆者バルサ

2006年、バルサは世界中のサッカークラブに先立ち、ユニセフと契約した。年間150万ユーロ(約2億1千万円)を、エイズ闘病中の人々を支援するためのプロジェクトに寄付し始める。同クラブとしては史上初のユニフォームにスポンサーロゴを迎え入れる歴史的な出来事であり、またNGO(非政府組織)などの慈善団体とスポンサーシップを結ぶことは、サッカー界でも異例の事だった。

通常であればユニフォームにスポンサーのロゴを入れる場合、高額な広告費用がスポンサーからクラブへ入る訳なのだが、同クラブは自分たちの収益は視野にいれず、難病に苦しむ子供達への支援を第一に強く希望したのだ。その後、2010年に中東地域の慈善活動を推進するカタール財団と契約を結ぶこととなる。


バルセロナ FWロベルト・レバンドフスキ ユニフォーム 写真:Getty Images

バルサのスローガン「クラブ以上の存在」とは

なぜ、ワールドクラスのクラブが自身を運営するための利益に重きを置かず、国際問題解決を優先するのか?ご存知の方も多いであろう、バルサのスローガン「クラブ以上の存在」がポイントだ。

このバルサのスローガンは、サッカーというスポーツだけにとどまらず世界中から注目されるクラブでいること、具体的には人や物など全てに対して気遣いと人情のある、世界の代表であり続けることを意味する。同クラブの本拠地であるカタルーニャ地域、そしてスペイン国内だけで注目されるのではなく、世界におけるクラブとなるために、歴史に残るユニセフとの取引を開始した訳だ。

その後2022年7月に、同クラブは難民の子供達に対する支援活動に注力するため、ユニセフからUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)との契約に改め、ユニフォームの背面に同ロゴが入ることになった。また前面には、史上初の契約となった音楽ストリーミングサービスSpotify(スポティファイ)の名が刻まれることとなった。このスローガンが変わらない限り、今後のバルサのスポンサー契約の行方も非常に気になるところだ。

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名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

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