2022シーズンの明治安田生命J1リーグは、11月5日に横浜F・マリノスの3年ぶりの優勝で幕を閉じた。17位清水エスパルスと18位ジュビロ磐田がJ2リーグに降格となり、J2からはアルビレックス新潟(1位)と横浜FC(2位)の昇格が決定している。
一方、最後の昇格と残留をかけたJ1参入プレーオフの最終戦が11月13日に残されている。来2023シーズンのJ1での戦いをかけて最後の大勝負を行うのは、J1リーグ16位の京都サンガとJ2リーグ4位のロアッソ熊本だ。ここではこの最終決戦を前に「確認しておきたい3つの側面」についてご紹介したい。
J2出戻りを避けたい京都はどう戦うか
J1リーグ16位となり、J1参入プレーオフに挑む京都サンガ。J1最終節(11月5日)で勝利を収めることができれば無条件での残留となったが、すでにJ2への降格が決まったジュビロ磐田相手に勝利することができず(0-0)16位での着地となった。しかし12シーズンぶりとなったJ1リーグを来シーズンも戦えるチャンスがまだ残されている。一発勝負となるこの試合で、何とか最後は笑って終えたいところだ。
京都としては、ホーム(サンガスタジアム by KYOCERA)にロアッソ熊本を迎えられることが非常に大きなアドバンテージになるだろう。チョウ・キジェ監督が「アンフィールド(イングランド・リバプールのホームスタジアム)のようだ」と語るほどのスタジアムの圧力を活かして戦いたい。
京都の魅力は守備力だ。リーグ戦通して失点した38ゴールは、J1全20クラブ中、横浜F・マリノス、名古屋グランパス(どちらも35失点)に次ぐ、リーグ3位タイの記録である。チーム全体でハイプレッシャーを仕掛け、ピンチのときには麻田将吾、井上黎生人のセンターバックコンビと、守護神の上福元直人で守り切る。頼もしいディフェンスラインが熊本の勢いを抑え込むことができるかに注目だ。
しかし、壊滅的な得点力不足であることが京都の懸念点である。ピーター・ウタカ一辺倒の攻撃では中長期的な戦いを考えたときには難しいことは長らく指摘されてきたが、その明確な解を未だに見つけられていないことは否定できない。リーグ戦立ち上がりはウタカの個人力で勝ち点を積み上げてきたが、7月の北海道コンサドーレ札幌戦を最後にゴールを奪うことができず大きく苦しんだ。
現在は長身フォワードの山﨑凌吾と、機動力に定評のある豊川雄太の2枚で敵陣に侵入することに挑戦しているが、完成にはもう少し時間がかかりそうだ。反対にもし攻撃力を今よりも向上することができていたならば、J1参入プレーオフなど関係なく残留できただけでなく、もっと上位に進出していたのではないか。大きなポテンシャルを秘めたクラブが、このままJ2に降格となるのは非常にもったいない話なのである。
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