静岡出身のJリーガー
続いて、静岡県出身のJリーガーが現在どれほどいるのかを見てみよう。2022シーズン開幕時点での都道府県別出身者を比較すると、静岡県出身は76人で6位。人口が非常に多く競技人口も多い東京都(1位)や神奈川県(2位)をはじめとした上位5都府県ほどではないにせよ、十分に一大勢力だといえる。Jリーガーをこれほど輩出している実績は、サッカー王国ならではだろう。
静岡出身の日本代表選手
では静岡は、実績においてJリーガーを上回る日本代表選手を輩出することはできているのだろうか。日本代表メンバーの出身都道府県を確認した。Jクラブの数やJリーガーの数と同様、こちらも神奈川県出身者が非常に多い。遠藤航、伊東純也、久保建英、三笘薫、板倉滉、山根視来、田中碧など、主力選手も数多く輩出している。その他には大阪府出身者も多く、南野拓実、守田英正、前田大然らがこれに当てはまる。静岡県出身者は、ジュビロ磐田のU-15・U-18で育った伊藤洋輝のみ。1人もいない都道府県も少なくないが、やや寂しい状況だ。
これらのことから見えてきたのは、静岡県のサッカー熱が下がっているわけではない、ということだ。裾野となる競技人口は依然として多く、Jリーガーも数多く輩出している。ただし、フランスW杯の頃のようには日本代表選手を輩出できなくなっている。ただ、これは狙って生み出せるものではない。
つまりサッカー王国静岡が衰退しているのではなく日本全体が発展しており、今季の清水エスパルスとジュビロ磐田の苦戦は単純に両クラブの問題ということだ。実際に藤枝MYFCはJ3リーグではあるが上位につけ、J2昇格圏に位置している。サッカー王国静岡に本拠地を置く4クラブは今後群雄割拠の様相を呈し、より一層切磋琢磨していかねばならない時代を迎えるかもしれない。
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