セリエA

ラツィオが突いたアタランタの隙。サッリ仕込みのパスワークの体現者は【試合分析】

アタランタ ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督 写真:Getty Images

アタランタを疲弊させたラツィオのパスワーク

アタランタは失点後もハイプレスを続けたものの、ラツィオの面々がワンタッチパスを駆使したことで、なかなかボールを奪えず。前半の途中から、ソッピーとハンス・ハテブールの両ウイングバック、デ・ローンとコープマイネルスの2ボランチの左右が入れ替わったが、試合の流れを大きく変えるには至らなかった。

アタランタは前半途中より、WBとボランチの左右を入れ替え

特に対応に苦労していたのが、ミリンコビッチ・サビッチが繰り出すサイドチェンジのパスや、前方へのロングボール。これにより前後左右に揺さぶられたアタランタの選手たちは疲弊し、次第にプレッシングの強度も弱まった。

ラツィオ FWフェリペ・アンデルソン 写真:Getty Images

後半6分すぎには、カタルディへのプレスが緩慢になった隙をラツィオに突かれる形に。センターサークル付近に立っていたカタルディからアレッシオ・ロマニョーリ、アダム・マルシッチ、ザッカーニの順でパスが繋がり、再びボールを受けたカタルディがアタランタの3バックの背後にロングパスを供給。ここに走ったマルシッチがアンデルソンにラストパスを送ると、29歳のブラジル人アタッカーがミドルシュートをゴールネットに突き刺している。このゴールで試合の趨勢がほぼ決した。

ラツィオは真綿で首を締めるようなボールポゼッションで、アタランタのマンツーマン守備やハイプレスを凌駕。今節の勝利により、首位ナポリとの勝ち点差5の3位に浮上している。来月に行われるローマとのダービーマッチ(第13節)やユベントス戦(第15節)でも白星を飾り、優勝争いを盛り上げられるかに注目だ。

ページ 2 / 2

名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

筆者記事一覧