柏戦とG大阪戦の違い
第4節の柏戦(3月12日0-1で敗戦)、福岡は熊本雄太と宮大樹がCBコンビを形成した。
今季福岡に加入しJ1リーグも初挑戦の熊本は、福岡のCBが行わなければならない「相手のFWに縦パスが入る瞬間に奪いに行く」という部分を徹底しきれなかった。対面する相手がキープ力に優れたドウグラスという不運も影響したが、キープされ展開される場面が目立ち、柏の素早い攻撃を招いてしまった。
相方の宮はカバーリングに優れ、福岡で2年目ということもありボールを奪いに行くタイミングも的確だ。だが強度という点ではドウグラス・グローリと奈良竜樹(今季未出場)ほどではなく、この試合では他のポジションの選手がCBのことを意識しなければならなかったことで、本来は先手を取り前線からパスコースを制限し追い込む守備が、少しずつ後手を踏むことになってしまった。
一方、第5節のG大阪戦(3月19日3-2で勝利)では、ドウグラス・グローリと宮がCBを形成した。
彼らCBが、G大阪の2トップ、パトリックと小野瀬康介をほぼ完全に抑えきったことが、81分時点で3-0とリードを広げることができた大きな要因だった。
夏場の過酷な環境でも期待大
CBがボールを収めようとする相手FWを自由にしない、という信頼感があるからこそ、他の選手は前からボールを奪いに行く守備が可能になる。反対に前線の選手がパスコースを制限していくことで、CBはFWにボールが入るタイミングが予測できる。
上述の熊本雄太や、今季甲南大学から入団した井上聖也らがリーグ戦で安定して出場機会を掴み、そして勝利に貢献するためには、この部分を習得し周りからの信頼感を得ることが欠かせない。
1試合あたりの走行距離はリーグ平均以下でありながら、被シュート数は少なく(32本)シュート数は多い(57本)福岡のサッカー。その根幹にはCBコンビの極めてタイトな守備が存在している。
これから気温が上がり段々と過酷な環境になるが、必要以上に走らないサッカーのため安定した成績を残す可能性は高い。
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