Jリーグ 横浜F・マリノス

横浜FMマスカット監督「冨安健洋と比べると…」セルティックの日本人選手“青田買い”に持論

冨安健洋 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグの横浜F・マリノスを率いるケヴィン・マスカット監督は16日、オーストラリアメディア『オプタス・スポーツ』のインタビューで、日本人選手による海外移籍について語った。

 横浜F・マリノスでは昨季途中までアンジェ・ポステコグルー氏がチームを率いていたが、昨年6月にセルティックが同氏を招へい。そのセルティックは7月にヴィッセル神戸から日本代表FW古橋亨梧(27)を獲得すると、古橋亨梧が主力選手として活躍。昨年末には日本代表FW前田大然(24)やMF旗手怜央(24)、MF井手口陽介(25)を獲得したことで注目を集めていた。

 昨季まで横浜F・マリノスでプレーし、J1リーグ得点王のタイトルを獲得した前田大然の海外移籍について、マスカット監督は「(前田大然のセルティック移籍が決まった時、)アンジェ(・ポステコグルー)に対する恨みがあったかって?全くないよ。正直なところ、もしセルティックでなくても彼は他のクラブに移籍していただろうし、セルティックへの移籍でむしろ良かった」

 「ダイゼンはひとりの人間として一流だった。彼の行動や振る舞いは素晴らしく、彼のサッカーは誰にでも分かるように語られている。彼がセルティックに移籍して再びアンジェとつながったことを誰もが誇りに感じているし、そんな彼の成功を我々は願っている。スコットランドのサッカーが日本でまったく新しい意味を持つようになったのは確かだ」とコメント。前田大然のメンタリティを称えるとともに、同選手の海外挑戦を前向きに捉えている。

 マスカットは2020年6月からおよそ半年間にわたりジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のシント=トロイデンVV(STVV)を指揮。日本代表GKシュミット・ダニエル(30)やFW鈴木優磨(25)らの指導に当たっていた。

 海外挑戦する日本人選手が増加傾向にあることについて現横浜F・マリノス指揮官は「(海外クラブは)つねに移籍金が高すぎず、手頃な次なるマーケットを探している。長年にわたって振り返ると、我々はクロアチア、スペイン、ベルギー(のマーケットが手頃である)時代があったが、最近になってこれらのマーケットから(選手を)搾取するサイクルは終わった」

 「一方でこれはあまり大きな声で言いたくはないが、(日本は)まだ比較的手頃なマーケットだ。誰もが次なるブームを探し求めている。手頃な値段で、価値に見合った選手を手に入れられるブームをね」と海外クラブが日本のマーケットに注目していることに言及。

 つづけて「最近の日本国外だと、トミヤス(冨安健洋)がベルギーからボローニャ、そしてアーセナルへ移籍したのだが、1500万ポンド(約23億5000万円)や2000万ポンド(約31億4000万円)とか言われている。それに比べるとJリーガーを獲得する場合(の移籍金)はわずかだ。いわば秘密がバレたわけなのさ」とアーセナルが移籍金2000万ユーロ(約26億円)により日本代表DF冨安健洋(23)を獲得したことを引き合いに、Jリーガーの引き抜きが容易であると主張。

 そして「間違いなくアンジェが大きな影響を与えている。だが、日本人選手獲得の流れは確実に来ている。私がベルギーにいた時には、どのクラブにもJリーグクラブから直接移籍してきた日本人選手がいたんだ。オランダやドイツにもいた。セルティックのクラブ規模のおかげで、(日本人選手の)露出度は増している」と今後さらに多くの日本人選手による海外挑戦の流れが加速するという見解を示した。