コロナ禍によって約1年延長となった東南アジアサッカー選手権「AFFスズキカップ2020」が、2021年12月5日から開催される。2018年に行われた前大会覇者ベトナムを含む10カ国の代表チームが2つのグループで争い、各グループ上位2クラブが決勝トーナメントに進出する。
- グループA:タイ、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、東ティモール
- グループB:ベトナム、マレーシア、インドネシア、カンボジア、ラオス
これまでにもスズキカップで活躍する東南アジアの選手にはスポットライトが当てられてきた。マレーシア代表FWサフィー・サリ(現クアラルンプール・シティ)や、サンフレッチェ広島と清水エスパルスでのプレー経験を持つタイ代表FWティーラシン・デーンダー(現パトゥム・ユナイテッド)などが、過去に同大会を通じて注目を浴び素晴らしいキャリアを持つ。今年も新星の誕生が予測されているスズキカップで、注目すべき4選手を紹介しよう。
グエン・ティエン・リン(ベトナム)
「ベトナムにスズキカップ2連覇をもたらしそうな選手は誰だ?」と問われれば、2018年にU-23ベトナム代表をAFC U23アジアカップ準優勝に導き、トップチームのスズキカップ優勝にも大きく貢献したMFグエン・クアン・ハイと多くのサポーターが答えるだろう。
Vリーグ(ベトナム1部)ハノイFCに所属している同選手は、東南アジアサッカーにおけるスターである。そのグエン・クアン・ハイからスポットライトを奪えそうな選手の1人が、ベカメックス・ビンズオン所属FWグエン・ティエン・リンだ。
1月15日に開始したVリーグ2021シーズンは、新型コロナウイルスの影響によって5月に中止となったが、グエン・ティエン・リンは11試合中に6得点を挙げ、同じくベトナム代表のFWグエン・バン・トアン(ホアンアイン・ザライ所属)に1ゴール差で得点ランキング2位に輝いた。スピード、賢さ、キープ力、パス力はもちろん、相手GKの前で冷静さを失わずに鋭いプレーをする。どのチームも欲しがりそうなFWだ。
リーグでは得点王にならなかったものの、グエン・ティエン・リンはベトナム代表でのトップスコアラーだ。2022年のFIFAワールドカップ・アジア2次予選で挙げた5得点で、最多得点選手となった。また、3次予選では日本代表やサウジアラビア代表のような強敵相手に勝点を1つも得てない中、2得点を挙げている。スズキカップでのゴールラッシュが楽しみだ。
サファウィ・ラシド(マレーシア)
マレーシア代表は東南アジアでそれほど強いチームだと思われていない。事実、優勝経験も少ないが、多くのトーナメントでインパクトを残している。2010年には番狂わせでスズキカップを優勝し、2018年にはベトナム代表に敗れたものの決勝戦まで勝ち進んだ。今年の代表チームには、2018年に活躍した選手が多く揃っている。注目すべきは2020年にプリメイラ・リーガ(ポルトガル1部)でプレーしたFWサファウィ・ラシド(現マレーシア1部ジョホール・ダルル・タクジムFC)である。
本来のポジションはウインガーだが、ジョホールでは相手GK前のプレーも得意としているサファウィ。ワールドカップ・アジア2次予選では8試合中3得点を記録し、注目されている。ベトナム代表MFグエン・クアン・ハイと共に1997年生まれの東南アジア選手の中では最強だと言われている。
サファウィは、ジョホールではチームメイトのFWギリェルメ・デ・パウラと共に今後のライバルチームのディフェンスを崩すことに全力を尽くし、代表では2度目のスズキカップ優勝を狙いに行くに違いない。
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