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中国恒大集団デフォルト危機の余波が…中国帰化の元ブラジル代表FWが広州FC退団へ

リカルド・グラール(写真中央) 写真提供: Gettyimages

 ドイツの大手通信社『DPA(ドイツ通信社)』は10日、中国スーパーリーグに所属する広州FC(旧広州恒大)の運営会社であり、中国国内大手の不動産開発会社である『中国恒大集団』は、債務不履行(デフォルト)となったと報じている。その中、中国に帰化している元ブラジル代表FWリカルド・グラール(30)が今季限りで広州FCを退団するようだ。ブラジルメディア『グローボ』が伝えている。

 グラールはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)のSCインテルナシオナルやゴイアスEC、クルゼイロでのプレーをへて、2015年1月に移籍金1500万ユーロ(約21億円)でクルゼイロから広州恒大へ完全移籍。移籍1年目の2015シーズンにいきなりAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と国内リーグの2冠達成に貢献すると、翌2016シーズンも国内リーグ戦で19得点をマーク。前線の主力選手としてチームをリーグ連覇に導いていた。

 その後、同選手は2019年にパルメイラス、昨年に河北華夏幸福へレンタル移籍していたが、昨季終了後に広州FCへ復帰。今季はここまでリーグ戦13試合に出場して7ゴールをマークしていた。

 しかし今年9月、中国恒大集団が総額33兆円にものぼる負債を抱え、破綻の危機に直面していることが報じられると、広州FCや河北など中国スーパーリーグに所属する大半のクラブで選手に対する給与やボーナスの支払いが遅延していると中国メディアが報道。この広州FCの経営危機のあおりを受ける形で、同選手は今年12月をもって退団することが既定路線になっているという。

 なお、グラールは2019年に中国への帰化を行ったものの、中国代表入りは実現していない。中国国内の複数クラブに解散の可能性がある中、同選手は不本意な形で中国を去ることになりそうだ。