
アダム・フロジェク
18歳・チェコ代表(決勝トーナメント進出)
スパルタ・プラハに所属するFWアダム・フロジェクの才能は計り知れないものがある。2020/21フォルトゥナ・リーガ(チェコ1部)では中足骨の骨折で4ヶ月ほど試合を欠場したにもかかわらず、15ゴール(8アシスト)を記録し得点王までに輝いた。
その活躍を目の当たりにしたチェコ代表ヤロスラフ・シハビー監督は、欧州5大リーグ(プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ・アン)経験がない若手選手であることを差し置いて、フロジェクをユーロ2020メンバーに選出したのである。
ユーロ2020では3試合中3得点を挙げたパトリック・シックという欠かせないセンターフォワードがいる中、フロジェクも3戦共に途中出場を果たし、欧州ビッグクラブにしっかりアピールしてきている。決勝トーナメントで1得点さえ挙げることができれば連続ゴールが期待できそうだ。

ユリエン・ティンバー
20歳・オランダ代表(決勝トーナメント進出)
アヤックス所属のDFユリエン・ティンバーは、2021年に入ってから力を発揮し始めた。2020/21シーズン後半に同オランダクラブのレギュラーの座を勝ち取り、ディフェンスラインの責任を持つセンターバックとして安定した活躍を見せた。
しかし、ユーロ2020のような重要な大会でオランダ代表に選ばれたのは、運も味方したと言っていいだろう。リバプール所属DFフィルジル・ファン・ダイクの右膝重傷、ユベントス所属DFマタイス・デ・リフトの筋肉トラブルなどもあり、同大会前の練習試合(6月3日スコットランド戦、6月7日ジョージア戦)でスタメン出場を果たし、好パフォーマンスを見せることができた。
ユーロ2020では、代表経験のあるブライトン所属DFジョエル・フェルトマンやマンチェスター・シティ所属DFナタン・アケを上回る監督からの期待を受け、グループCの3戦中2戦(第1節ウクライナ戦、第3節北マケドニア戦)で出場を果たす。今後も活躍が期待できそうだ。

ビリー・ギルモア
20歳・スコットランド代表(グループステージ敗退)
チェルシー所属のMFビリー・ギルモアは、紛れもなくスコットランド代表選手の中で最も伸びしろがある選手である。ボールを運びチャンスを作ることもでき、90分フルパワーで動き回るスタミナも持つ。
しかし、2020/21シーズンは2つの理由で出場機会が少なかった。1つ目は2020年7月に行われたクリスタル・パレス戦で膝を痛め、プレシーズンに参加できず12月まで試合に出場できなかったこと。2つ目はチェルシーにはエンゴロ・カンテ、ジョルジーニョ、マテオ・コバチッチのようなスター選手が揃っていて、スタメン争いになかなか参加できなかったことだ。
にもかかわらず、スコットランド代表スティーブ・クラーク監督はギルモアのポテンシャルを見抜き、6月3日と7日に行われた練習試合、オランダ戦とルクセンブルク戦で選抜。そのままユーロ2020にも連れて行くことを判断した。Dグループ第2戦となったイングランド戦でフル出場を果たしたものの、試合後に新型コロナウイルスの検査で陽性となり、第3節クロアチア戦を欠場。残念ながらスコットランド代表はグループステージを突破できず、同大会で彼の活躍を見ることはもうできない。

イーサン・アンパドゥ
20歳・ウェールズ代表(決勝トーナメント進出)
ウェールズ代表は、ライアン・ギグスが監督となってから(2018年1月)ほとんど同じ[5-2-3]システムで戦ってきた。その中で2人目のボランチ、またはセンターバックとして素晴らしいパフォーマンスを見せてきたのが、2020/21シーズン中にチェルシーからシェフィールド・ ユナイテッドにレンタル加入したDFイーサン・アンパドゥである。
しかしながら、ユーロ2020が始まってからギグス監督は戦略を変更。グループA第1節スイス戦で[4-3-3]に切り替え、第2節のトルコ戦と第3節のイタリア戦では[4-1-4-1]と[3-4-3]を使用した。システムに慣れてないアンパドゥは1戦目と2戦目に途中出場、3戦目で3バックの真ん中のポジションを任されたものの、55分にレッドカードで退場した。
ウェールズ代表はグループステージを勝ち進み、一発勝負である決勝トーナメントでは得意の[5-2-3]にシステムを戻すと予測されている。アンパドゥは退場によってラウンド16には出場できないが、ウェールズ代表が勝ち進めさえすれば再びこの大きな舞台での活躍を見ることができるだろう。
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