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なでしこジャパン、東京五輪メンバー18人を徹底予想!サプライズは?最後の1枠は?

日本代表DF熊谷紗希 写真提供:Gettyimages

DF:埋まらない左SBとDFマルチは?

高倉麻子監督は3バックのオプション導入を試行錯誤していた時期もあるが、現在はその可能性はゼロに近い。4バックの人選にするとセンターバックコンビに3名、両サイドバックに3名の合計6名となりそう。

CBは主将の熊谷紗希のパートナーを誰にするかが問われるが、実際はその逆なのではないか?熊谷は2011年の女子W杯優勝メンバーであり、長年に渡ってCBコンビを組んだ岩清水梓(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が代表から離れて以降、代表でのパフォーマンスは決して高いとは言えない。彼女は女子サッカー界では世界屈指の実力者だが、人を「使うタイプ」ではなく「使われるタイプ」と見る。それゆえ、統率力のある南萌華にはDFリーダーとしての期待がかかる。

また、昨年の後半からチームや代表合宿でもFWからコンバートされた宝田は強さ・速さ・高さを兼備しており、熊谷と南以上のポテンシャルを持つ。これまでGKからFWまで全てのポジションの経験があるだけに、ビルドアップやフィード力も問題なく、パススピードの速さは武器になっている。

右SBの清水梨紗は、現チームで最も替えの利かない選手。前のサイドMFやウイングに入る選手に合わせてポジショニングを調整しながら攻撃を操ることもできる稀有な存在である。

逆に左SBは今月の代表戦で招集メンバーから外れた鮫島彩が、コロナ禍以降に著しくパフォーマンスが低下して1年以上が経過した。ただ、3バックのオプションがあれば、その経験値と知性で最適任者なだけに戦略の幅が狭い現チームでは活かしきれていない。

それでも今月の代表戦で代役を務めた、高橋や宮川が安定感を示せず。また、五輪の過密日程も踏まえると、鮫島は両SBやCBにも対応できるマルチなDFとして招集されると予想。レギュラー不在の左SBはその鮫島自身か、攻撃性能の高い北村を抜擢すると見る。


日本代表MF杉田妃和 写真提供:Gettyimages

MF:「世代最高選手」杉田を中心に

2年前の女子W杯フランス大会では、ほとんどの強豪国がアンカー1枚の[4-3-3]を使いこなし、守備時に1トップとインサイドMFのどちら1枚が前線からのプレスを仕掛ける[4-4-2]の可変システムを採用していた。日本でもベレーザが同様の戦術を採用しており、ポジショニングセンスに長ける三浦成美はアンカー役に適しているのだが、代表では全く機能しない。

現在のなでしこのMF陣はサイドを縦に突破できるウイングプレーを得意とする選手が少なく、サイド攻撃は攻撃性能の高いSBに一任されている。そのため、ボランチには攻め上がったSBのカバーリングを求められるためにダブルボランチを採用している。よって、ボランチをこなせる選手を多く招集すると予想する。

また、2年前のW杯ではボランチ・杉田妃和、サイドMF中島依美で構成されていたが、今年になってこの2人のポジションが入れ替わった。杉田は2014年のU17W杯優勝時に大会MVPを獲得し、3位に終わった2016年のU20W杯でも個人としては大会MVPに選出された「世代最高選手」。特にU17W杯などでは得点を量産していた。ただ、サイドMFでは持ち味が消えそう。中央で勝負してこそ、彼女の魅力は最大限発揮されるのではないか?

なでしこの攻撃は長谷川唯が中心だが、個人的には誕生日も2日違いの杉田を軸に据えるべきだと考える。長谷川には左サイドから中央へ向けてのチャンスメイクに専念してもらい、ゲームメイカー兼シャドーに杉田を据えて真ん中でどっしりと構えてもらい、長谷川との2枚看板としてチームを牽引してもらいたい。実際、2年前のW杯ではMF・FW登録全選手の中で唯一のフルタイム出場を記録していただけに、高倉監督の信頼も厚いはずなのだが。

2列目には高倉体制下で長らく10番を着る籾木結花、チームで唯一の縦へのドリブル突破を持つ遠藤純が、共にアクセントをつけられる必要不可欠なアタッカーとして重用される。

そして、今年に入って得点直結のボール奪取力からの速攻というダイナミックな魅力を持つ林穂之香が猛アピール中。全盛期の稲本潤一(現・SC相模原)を彷彿させる彼女を「最後の1枠」で入れると予想する。この林も含め、2018年のU20W杯優勝メンバーは5人(林・宝田・北村・南・遠藤)を数える主要メンバーになりつつある。

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