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日本の女子サッカー「チームとしての機能性が高い」
ミラ監督は、ヴィッセル神戸のMFイニエスタが12歳まで在籍していたアルバセテ・バロンピエの女子チームで監督を務め、チームを1部昇格へ導いた。その後、31歳にして欧州トップリーグや各国代表チームの監督も務められる「UEFAプロライセンス」を取得。「スペイン女子代表チームの選手とは全員と対戦したことがあり、ご飯を食べに行ったこともある選手も多い」という。
指導経験が豊富なミラ監督の眼には、日本の女子サッカーはどう映っているのだろうか?鈴鹿と同じ三重県にあり、なでしこリーグ1部に在籍する女子サッカークラブ「伊賀フットボールクラブくノ一三重」を題材に、お話を伺った。
「くノ一の試合はよく観に行っています。現在はコロナ禍で制限もありますが、去年もよく観に行っていました。
日テレ・東京ヴェルディ・ベレーザやINAC神戸など強豪チームとの試合も観ました。まだ少しだけ強豪チームの方が上だな、という印象はあります。
ベレーザなら今年イタリアのACミラン・フェミニーレに移籍したMF長谷川唯選手や、INACへ移籍したGK山下杏也加選手の存在が、“違い”を生むのだろうと思います。
私はスペインで活躍している日本人女子選手も複数知っているので、日本の女子サッカーのレベルの高さも分かっていました。個々の能力の高さにも驚きは感じません。日本の女子サッカーは高いレベルにあると考えています」
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―くノ一のサッカーに関してはどういう印象を持っていますか?
「チームとしての機能性が高いくノ一は、チーム単位で戦った場合、優位に立てるレベルにあると思います。
私は特にくノ一の10番を着ているMF杉田亜未選手は本当に良い選手だと見ていて、いつも『なぜ彼女はなでしこジャパンに入らないの?』とテツ(小澤哲也通訳兼コーチ)にブツブツ言っていますよ(笑)」
伊賀は大嶽直人監督が率いて4年目。2019年には、プレッシングサッカーでベレーザやINAC、現・三菱重工浦和レッズレディースといった代表選手が揃うチームを苦しめ、1部昇格初年度で4位と大躍進した。
現在は、相手への対策が進んだ中でポジショナルな攻撃も構築中。マンチェスター・シティのブラジル代表GKエデルソンのような低弾道キックを持つ鈴鹿のGK月成大輝が伊賀のGK陣のコーチングに訪れるなど、GKからの緻密なビルドアップも導入している。
昨年はコロナ禍で中止となってしまったものの、JFLとなでしこリーグのダブルヘッダーマッチを組むなど、両チームの関係性は良好である。
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