近年、Jリーグにおける韓国人ゴールキーパー(GK)の台頭が顕著だ。
今シーズンも首位を独走する川崎フロンターレの守護神はチョン・ソンリョンが担い、組織的な守備で堅守が光るセレッソ大阪はキム・ジンヒョンがゴールマウスを守っている。他にも柏レイソルにはキム・スンギュ、サガン鳥栖にはパク・イルギュと優秀なGKがJリーグには揃っている。
どのGKも冷静と情熱の両面を持ち合わせ一筋縄では攻略できない守護神ばかりだ。しかしなぜ隣国である日本のJリーグでここまで韓国人GKが台頭しているのだろうか?
なぜ韓国人GKがJリーグで活躍しているのか?
韓国人GKがJリーグで活躍している理由にはいくつか理由が上げられる。
まずは日本においてGKが育ちにくい点が上げられるだろう。日本ではそもそも「身長が高い人」や「ガタイがいい人」の始めるスポーツといえば、バスケットボールやバレーボール、そしてラグビーだという先入観が存在している。そのため体格に優れた人材がサッカーに集まりにくい現象が起きている。アメリカのように、シーズンによって競技するスポーツを変えるような柔軟性が足りない日本においては致命的な事実である。結果、体格に優れた日本人GKが生まれにくい環境が構築されていると考える。
そんな実情の中、どちらかと言えば足元のテクニックを重視する傾向が強いJリーグとは対照的に、屈強で反射神経に優れた韓国人プレーヤーがその強みを生かしてJリーグで存在感を示しやすくなり、最もその傾向が強いGKにスポットが当てられることになった。
また地理的な近さもあり同じアジア地区として親和性があることは明朗だ。ただでさえ1クラブあたりのGK枠はフィールドプレイヤーとは異なって少ない中、下手にヨーロッパを目指すのはリスキーでもある。日本の事情と韓国の事情がマッチングしているように考察できるだろう。
クラブの補強プランという側面からも
かつての補強プランはブラジル人が大半を占めていたが、今では『Wyscout』を通じてヨーロッパからも多くの選手たちがJリーグへやってくる時代になった。今ではクラブの戦力に直結しやすい外国人選手たちと日本人とミックスさせフィールドプレーヤーが構成される傾向にある。ただGKまでに戦力補強に手を伸ばすクラブは多くない。もちろん様々な理由があることは重々承知しているが、GKに外国人選手を割り当てることに躊躇いが働くのではないかと推測する。
一方でKリーグのGK選手たちの年俸が高くないという金銭事情があり、そうした事情を取り込んだ結果、各Jリーグクラブの韓国人GKの獲得が活況になっているのではないだろうか。
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