
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、イタリアサッカー協会は2020年2月29日(土)、世界中のサポーターが楽しみにしていたセリエA第26節の一戦、ユベントス対インテルの試合を延期した。
予定変更となったのはその試合だけではない。同じく3月1日に予定されていたミラン対ジェノア、パルマ対SPAL(スパル)、サッスオーロ対ブレシア、ウディネーゼ対フィオレンティーナの計5試合が、5月13日に再調整された。
しかし、スケジュール変更となったこれらの対戦は、すでにコロナウイルス対策として無観客で行われる予定で決定していたのだ。延期は本当に必要だったのだろうか?クラブ、選手、そして多くのサポーターが疑問に思っている。
無観客試合から延期への変更の裏には何があったのだろうか?特にインテルはそれによって、災厄に見舞われる時期を迎えることとなる。

無観客試合から延期への変更
現在イタリア国内でコロナウイルスの感染が拡大しているのは、北部に位置するロンバルディア州、ベネト州、エミリアロマーニャ州、ピエモンテ州である。それを受けて2月26日(水)にサッカー協会は、そのエリアで行われる予定だった試合を無観客で開催するよう命じた。
この緊急事態に対する判断は適切だった、と多くのクラブやサポーターが納得し、各チームは次の戦いに向けて準備を進めていた。
しかし、ユベントスはその判断に不満があった。3月1日にホームのアリアンツ・スタジアムで迎える予定だったインテルとの大一番。チケットはすべて売り切れで、莫大な売り上げが見込まれていたためだ。試合が無観客で開催される場合はチケットの返金なども考えざるを得なく、ユベントスにとって大きな経済的負担になることが予測されていた。
それだけではない。ユベントスは現在マウリツィオ・サッリ監督の元で、うまくいかない時期を過ごしている。そんな中、2月27日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)のリヨン戦の敗北(1-0)で、チームの雰囲気はさらに壊れた。この厳しいチーム状況で、セリエA1位の座を狙っているライバル(インテル)を無観客で迎えるのは、タイミングが悪すぎていた。
そして、同試合が行われる1日前の2月29日に、サッカー協会が新たな判断をした。無観客で行われる予定だった全ての試合は5月13日に延期された。あまりにも突然の変更に、セリエAのクラブは驚きと怒りを隠せなかった。
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