CL/EL ヨーロッパリーグ

南野ザルツブルク他、レッドブル運営クラブが絶好調!その裏には…

写真提供: Gettyimages

この数年では皆さんがよく知っている清涼飲料水の会社、レッドブルが運営しているクラブのとてもいい調子が続いている。

南野が所属しているザルツブルクは、2017/2018シーズンELで初めて準決勝までたどりたどり着いた。そして、この6年はずっと国内リーグで圧倒的に優勝している。

ライプツィヒは、2016年にドイツ2部から上がったばかりだったのに、1年後に行われたチャンピオンズリーグに参加する事ができた。そして、今シーズンも2度目のCL出場をしている。

ニューヨークは、2018年にCONCACAFチャンピオンズリーグの準決勝まで登り着いた。

この実績を見て、レッドブルのネットワークが絶好調である事がわかる。

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ラルフ・ラングニックという男が作った「3Kのシステム」

ヨーロッパのサッカーサポーターは「レッドブルはお金があるから、いい結果を出せている」とよく口にするが、それは明らかに違う。ザルツブルクはELの準決勝にたどり着いた時は1650万ユーロ(役20億円)でチームを作っていた。そういうレベルで戦う他チームの予算は何倍も大きい。

例えばザルツブルクが準決勝で延長戦で2-3負けた相手のオリンピック・マルセイユは、その大会の前の移籍期間2つのセッションで1億ユーロ(役120億円)以上を使っていた。

もちろん、レッドブルがオーナーになってからクラブには経済的な余裕が生まれた。しかし、レッドブルのクラブが強くなったもう一つの大きな理由がある。それはラルフ・ラングニックという男が作ったシステムです。

ラルフ・ラングニックはドイツ出身の元サッカー選手、指導者、そしてスポーツディレクターの経験がある男です。シュトゥットガルト、 ハノーファー、シャルケ、ホッフェンハイムで指導者として活躍してから、レッドブルは彼をザルツブルクの指導者に呼んだ。そして、現在はレッドブル・グループのサッカー開発部門責任者に務めている。

彼が作ったシステムは「3Kのシステム」と呼ばれている。3Kのコンセプトを表す言葉はドイツ語からきていて、Kapital(資金)、Konzept(コンセプト)、そしてKompetenz(能力)である。お金を使うのは簡単なものです。しかし、決めたフィロソフィーの下で正しくお金使うのは誰にもできることではありません。

レッドブルのクラブで所属している選手は全員ハイペースで90分走る事ができる選手ばかり。もちろん、それは基礎だけであって、それだけでは勝てない。そのコンセプトで結果を出したいのなら、精神的にも強くて賢い選手が揃わなければなりません。レッドブルのクラブはそれに成功している。

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レッドブル・クラブのパーフォーマンスの秘密

昔、サッカー界でよく言われていたことがある。「相手よりクオリティの高い選手がたくさん揃っていれば、負けることはない」というもの。しかし、現代のサッカーは少し違う。

例えば、リヴァプールのようなチームはボールホルダーに2人か3人がプレスにいきます。当たり前なことに、プレスを受けた選手が強くても、3人相手に思い通りのプレーができない。現代のサッカーに一番大事なのは「ボールを持っている時何をするか」ということではなく、「ボールがない時にどうやってプレスをかけるか」ということです。

ザルツブルクの監督ジェシー・マーズチはニューヨーク・タイムズのインタビューに「我々はバルセロナと逆のコンセプト」と語った。バルサがボールポッセションを第一に考えているなら、レッドブルのクラブはボール持ってない時の戦略を第一に考えている。そして、ボールを奪ってから、相手チームが守備の準備を整える前に一瞬で攻撃を仕掛ける。

そのために彼らはカウントダウンクロックという練習をよくしているそうです。練習試合の中で相手からボールを奪ったら、10秒以内にシュートまで行かなきゃいけないという練習です。最初、選手たちが攻撃を考える時間がなく、イライラすることが多いが、少しずつ選手の野性的な感が鋭くなり、守備から攻撃までの切り替え能力がレベルアップする。

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レッドブル・クラブは経済的な戦略も素晴らしい

まずレッドブルのクラブはコンセプトを決めた。そして、そのコンセプトに合った選手を獲得し続けて育てる。説明をするのは簡単。しかし、これを現実にしているのはレッドブルが運営しているクラブだけかもしれません。

レッドブルのクラブの中に経済的にも一番成功しているのはザルツブルク。今まで格安でたくさんの才能のある若手を獲得して、しっかり育ててから、ヨーロッパのトップクラブに移籍させた。サディオ・マネは400万ユーロ(約4.8億円)で獲得して、2300万ユーロ(約28億円)で売った。ホナタン・ソリアーノは50万ユーロ(約6000万円)で獲得して、1500万ユーロ(約18億円)で出した。

しかし、一番いい取引はナビ・ケイタの取引だった。この取引はレッドブルのコンセプトを簡単に表す。ザルツブルクは1500万ユーロ(18億円)で手に入れてから、同じレッドブルネットワークのライプツィヒに2400万ユーロ(約29億)で売った。そして、そこから6000万ユーロ(約72億)でリヴァプールに入った。4年レッドブルの教育を受けた選手はこれぐらいの価値になった。

お金だけでチームを作るクラブはお金がなくなったら潰れる。しかし、レッドブルのクラブのコンセプトだと、いつまでも高いレベルで戦うことができる。ザルツブルク、ライプツィヒ、ニューヨークはこれからも力をつけて話題になるでしょう。

名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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