セリエA第9節、アウェイのローマ戦に1-2で敗れたミラン。これにより直近5試合1勝1分3敗となり、勝ち点10の12位に沈んでいる。降格圏の18位ブレシアとは、わずかに勝ち点3差のポジションだ。
それなりの金額を費やして選手を獲得し、様々な監督も招聘したミラン。しかし、依然として暗闇から抜け出せそうな予感はなく、今シーズンも彷徨い続けている。
今回は、そんなミランが抱える致命的な問題をご紹介する。
軽率すぎるプレー
ステファノ・ピオリ監督が就任し、攻撃面は少しづつ改善がみられているミラン。しかし、そのポジティブな要素を覆すほどに深刻なのが軽率なプレーだ。
ローマ戦でも散見したように、ミランはゴールに直結しかねない軽率なプレーが止まらない。ビルドアップの起点でのパスミスなど、どうしようもないミスが多すぎる。
フランク・ケシエに至っては、自陣エリア内でボールを奪い、クリアすればいい場面でなぜかドリブル。再奪取され不必要なチャンスをローマに与えている。
なぜこのような軽率なプレーが続けざまに起きてしまうのだろうか。これに関しては、選手のクオリティ云々の話ではない。大事な何かがこのチームには欠落している。
絶望的な右サイド
ミランの左サイドは、ローマ戦で得点を挙げたテオ・エルナンデスを筆頭に、ある程度以上は機能している。問題は右サイドだ。
ミランの右サイドは攻撃にも守備にもお荷物となっている。左サイドのエルナンデスが攻撃的なポジションを取ることで、3バック気味に戦うミランだが、右のバックを務めるコンティとダビデ・カラブリアはクオリティが足りていない。セリエAで上位に食い込もうとしているチームで起用していいレベルに到達することができていないのだ。
また、相変わらずスソもロストマシーンのままだ。対戦相手はスソにボールが渡ることを願っているかもしれない。それほどまでに機能していない。アンテ・レビッチの出番がないのは不思議だ。
このままでは、両者の間プレーさせられているルーカス・パケタという才能が潰されてしまうだろう。レオ・ドゥアルチを起用するなど、何かしらのあがきを見せる必要がある。
監督を変えてもどうにもならない
低迷を続けるクラブが監督を変えることで、一時的に上昇気流に乗ることがある。現在ミランを率いるピオリ監督は、過去にインテルでそういったことを経験している。
ピオリ監督は、ミランに新しい風を吹かせようとした。運動量を求め、選手に勝利への貪欲さを求めているように見える。しかしながら、当の選手たちはそれに応える気がさらさらないようだ。気概を見せているのはエルナンデスやハカン・チャルハノールぐらいだろう。
現在のミランにジョゼップ・グアルディオラ監督やユルゲン・クロップ監督といった、世界的な名将を連れてきてもどうすることもできないだろう。前述したように軽率なプレーを繰り返し、それを取り返そうとするような心意気もない。そんなチームがどうしてチャンピオンズリーグ(CL)出場権を目標にできるだろうか。
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