著者:菊池大将(@yukkenokonoko)
日本時間12日に行われたロシアワールドカップ(W杯)準決勝、クロアチア対イングランド。延長にもつれ込んだ死闘は、マリオ・マンジュキッチが延長後半に決勝弾を挙げ2-1でクロアチアが制した。
結果を残したマンジュキッチに対して、イングランドのエース、ハリー・ケインはノーゴール。シュート数も少なかった。2017/2018シーズンこそ得点王の座をモハメド・サラーに譲ったものの、プレミアリーグ屈指の点取り屋はイングランドを52年ぶりの決勝に導くことができなかった。
6ゴールを挙げ、W杯の得点ランキング1位になっているケインだが、その内訳をみるとグループステージで5得点。決勝トーナメントではコロンビア戦で沈めたPKの1得点のみとなっており、決勝トーナメントでは流れの中からゴールを決めることができていない。
もっと言えば、流れの中からのゴールはグループステージ、パナマ戦で奪ったルーベン・ロフタス=チークが放ったシュートがケインに当たってゴールに吸い込まれたラッキーなものだけだ。もちろん、セットプレーなど、彼のポジショニングの良さがゴールに繋がっているのは言うまでもない。
数字だけを見ればケインは本来の実力を発揮していると言えるが、得点の半分はPKによるもの。プレミアリーグ屈指の点取り屋であればゴールの「内容」にも期待したくなるだろう。背後から来たボールをワンタッチでいとも簡単に枠内に飛ばす姿をサポーターは見慣れているはずだ。
52年ぶりの決勝を逃したイングランドだが、まだ3位決定戦は残っている。平均年齢26歳と、4年後のW杯もほぼ同じメンバーで戦えるイングランドにとってW杯の舞台でベルギーという難敵と戦えるのは、貴重な体験だ。それは24歳のハリー・ケインにとっても変わらない。
ケインが決勝トーナメントという大舞台で自身の力を証明すれば自身にとっても、チームにとっても間違いなくプラスに働くはずだ。3位決定戦はただの飾りではない。イングランドにとっては次大会に向けた貴重な経験の場だ。W杯での最高成績が4位のベルギーも全力で戦いに来るだろう。イングランドの56年ぶりのW杯優勝に向けた戦いは今大会からスタートしている。
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