ラ・リーガ レアル・マドリード

急浮上したCロナウドのユーべ移籍、現実味がある5つの理由

文:チェーザレ・ポレンギ@CesarePolenghi

 レアル・マドリードで9シーズンを過ごしたクリスティアーノ・ロナウドが今夏、ユベントスに移籍する可能性が浮上した。

 収入では欧州で10番目のクラブにも関わらず、過去5シーズンの国際大会でレアル・マドリード、バルセロナに次ぐ3番目の好成績を収めているユベントスは、ここ数年でピルロ、ポグバ、ダニエウ・アウベス、ボヌッチ、ブッフォンといった世界的に有名な選手を手放してきた。国際的なイメージを強化するため、クラブは更なるタイトルに加えてスター選手の獲得を必要としている。

 様々な問題もあるが、C・ロナウドの獲得はクラブにとって非常に大きな後押しになる。もし移籍が実現すれば何人かの選手の放出が必要になるだろうが(イグアイン放出は間違いなく、おそらくディバラとピアニッチのどちらかも売却される)、金銭面のやり繰りはクラブの幹部に任せるとして、ユベントスがロナウドにとって理想的な新天地である5つの理由をご紹介しよう。


1. 新たな冒険に相応しいタイミング

C・ロナウドはマドリードで素晴らしい時間を過ごした。しかし4回のチャンピオンズリーグ優勝、過去5年間で4回バロンドールを受賞と、「白い巨人」で成し遂げられることは全て達成している。本人もマドリードでの冒険を終える時が来たことを示唆しており、33歳という年齢を考えても野心的なクラブで最後のチャレンジに挑むことは理想的だろう。


2. 能力を最大限に引き出せるクラブ

ユベントスはC・ロナウドにとって理想的な環境だ。アニェッリ一族によって経営されるクラブはハードワークをモットーとしており、非常に組織的で選手をまるで自分の子供のように大切に扱う。ポール・ポグバのユベントスとマンチェスター・ユナイテッドでのパフォーマンスを比較すれば、ユベントスがいかに選手の力を引き出すことに優れているかが分かるだろう。


3. 選択肢は多くない

理論的には移籍金と給与を支払う能力があるクラブであればC・ロナウドは移籍先を自由に選択できるが、彼の選手としてのニーズに合うクラブは実際には多くない。古巣のマンチェスター・ユナイテッドへの思い入れが強いことは当然だが、赤い悪魔がヨーロッパの舞台で頂点に近づくにはまだ数年掛かるかもしれない。結果としてトップレベルには及ばない何人かの選手とプレーしなければならない、ポルトガル代表と似た状況に置かれてしまうリスクがある。ユナイテッドへの忠誠心から他のプレミアリーグ勢への移籍は考えにくく、バルセロナはもちろん論外だ。パリ・サンジェルマンは国内リーグの競争の乏しさから、あまり魅力的ではないだろう。そうなるとユベントス以外に相応しい移籍先はバイエルン・ミュンヘンしか残らない。


4. ラブストーリーは既に始まっている

2017年にカーディフで行われたUCL決勝でのゴールに象徴されるように、C・ロナウドはここ数シーズンで何度もユベントスに痛手を与えている。しかし中でも一番印象的なのは今年4月、ブッフォンの牙城を破った驚異的なオーバーヘッドだ。このゴールにアリアンツ・スタジアムのファンはスタンディングオベーションで敬意を示し、本人もこの反応を光栄だと語っている。ある意味で、ユベントスサポーターとのつながりは既に始まっているのだ。


5. 究極のチャレンジ

C・ロナウドが新しい挑戦を望むのであれば、ビッグイヤー獲得を熱望しながら決勝で7度敗れてきたユベントスでUCLを制すること以上のチャレンジがあるだろうか。ビアンコネリを3度目の欧州王者の座に導き3つの異なるクラブでのUCL優勝を実現することで、C・ロナウドは真のレジェンドとなることができる。この大きなチャレンジを達成できれば、その素晴らしい実績の一方でバルセロナという快適な場所を離れようとしなかったリオネル・メッシ以上の結果を残したという事ができる。