残り時間30分の時点で疲労の見えるキンテロがハメス・ロドリゲスと交代し、直後に日本も香川真司に代えて本田圭佑を投入した。本田が勝利を目指す日本にとって有効な交代だったのに対し、ハメスは試合のコントロールを失ったコロンビアの中でインパクトを残せなかった。
日本はさらに圧力を強めたが、精度を欠いたフィニッシュ、必死のディフェンス、そしてオスピナの鋭い反応によりゴールを決めきれない。
これに対しぺケルマンは、カウンターを活かすためにイスキエルドに代えてバッカを投入した。しかし彼も大きなインパクトは残せず、この交代の後にコロンビアは意外な形で再びリードを許す。
平均身長で大きく上回っていたにもかかわらず、その前にも吉田に惜しいヘディングシュートを放たれていたコロンビアは、73分にクロスから日本にゴールを奪われた。本田の優れたコーナーキックに頭で合わせた大迫勇也のヘディングが、ファーサイドに決まったのだ。前半から精力的にプレーし後半は中盤によく絡んでいた大迫にとって、相応しいゴールだった。オスピナは動けず、アリアスは空中戦のプレッシャーに委縮しているように見えた。
リードを奪ったチームによくあるように、日本はペースを落として終盤にいくつかのピンチを迎えたが、コロンビアに前半のような勢いはなくそのまま試合を終えることに成功した。
グループHの初戦は、前後半で全く違う試合になった。コロンビアは前半のレッドカード後に強くエネルギーに溢れたリカバリーを見せ、日本は後半に冷静で規律正しい危険なチームへと姿を変えた。
サムライブルーは勝ち点3と新たな自信を手に、グループリーグの残り試合を迎えることになる。一方のコロンビアは決勝トーナメント進出のポテンシャルはあるが、それを達成するにはより強いコントロール、成熟、そしてゲームインテリジェンスが必要になる。
取材:ダン・オルロウィッツ
著者:サイモン・エドワーズ
南米サッカーを専門とするコロンビア在住の英国人ジャーナリスト。Twitter:@SimonEdwardsSAF
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