ワールドカップ 代表チーム

DR.TRIBE【試合診断書】W杯グループステージ ブラジル対スイス

大会:ロシアワールドカップ
カード:ブラジル対スイス
スコア:1-1
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審


ブラジルMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):フィリペ・コウチーニョ

彼の代名詞ともいえる美しいミドルシュートを決めてチームに勢いをもたらした。序盤はネイマールとポジションが被るシーンがあったものの、すぐに修正し、ビルドアップからフィニッシュまで抜群の存在感を示した。


ブラジルTHW(ザ・ハード・ワーカー):ウィリアン

左サイドで組み立てるブラジルの攻撃において、彼が右サイドにいる意味は大きい。1対1のドリブル突破や正確なクロスでチャンスを創り出し、スイスディフェンスを脅かし続けた。


ブラジルMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):ネイマール

スペシャルなタレントであることは間違いないが、自らタックルを誘うプレーが多すぎる。負傷の恐れもあるためもう少しシンプルにプレーするべきだろう。決定的なシュートもなかった。期待が大きい分失望も大きい。


スイスMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):シュテファン・ツバー

値千金の同点弾は彼の頭から生まれた。ジェマイリやロドリゲスとのコンビネーションも悪くはなく、攻撃面で多くの貢献を見せた。


スイスTHW(ザ・ハード・ワーカー):バロン・ベーラミ

タイトなディフェンスでネイマールと対峙し、自由を与えなかった。彼の努力はスイスがブラジルから勝ち点を奪うことができた大きな要因の1つだ。


スイスMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):グラニト・ジャカ

攻守にわたって存在感が非常に薄かった。特に同じく中盤でプレーしたベーラミが気迫を見せていたためそれは顕著だった。


ブラジル監督:アデノール・レオナルド・バッチ(チッチ)

非常にいい形で試合に入り、20分には先制に成功。理想的な形で前半を終えた。しかし後半に入ってすぐに失点し、その後はスイスの堅守を前にゴールを奪うことができなかった。マルセロ、コウチーニョ、ネイマールがいる左サイドで攻撃を組み立て、右サイドでウィリアンをアイソレーションさせて1対1の局面を創り出す流れは、何度かいい形を生み出したが、後半はスイス側にアジャストされた。前線に関してはここのタレントへの依存度が高く、特にコウチーニョとネイマール、ジェズスの3人の動きが被った時にファイナルサードで上手くボールを動かせていなかった印象が残る。引き分けは決して悪い結果ではない。しかし堅い守備を誇るコスタリカとセルビアが待ち受けていることを考えれば、ポジティブな内容だったとは言い難い。

スイス監督:ウラディミル・ペトコビッチ

ブラジルに対して高い位置からプレッシングをかけ、積極的に立ち回った。主導権を握られてしまうのは仕方ないかもしれないが、消すべき選手はカゼミーロではなくコウチーニョだっただろう。カゼミーロはほとんどビルドアップに参加しておらず、コウチーニョがリズムを作りだしていたからだ。先制点もコウチーニョに奪われている。ただ、同点にしてからはリスクマネジメントをしっかり行い、勝ち点1奪取に繋がった。


主審:セザー・アルトゥーロ・ラモス

スイスの得点シーンではツバーがミランダを押しているように見えた。難しい判定だったが、ファウルをとっても不思議ではなかった。大げさに転ぶネイマールに対して、倒したスイスの選手に過度なイエローカードを出すこともなく、適切な判断をしていたと言える。