ワールドカップ

選手の副業から応援の起源まで、アイスランド代表にまつわる10の秘密

2年前の欧州選手権で初出場ながらベスト8に進出し、一大旋風を巻き起こしたアイスランド代表。初めて登場した今回のW杯でも初戦で優勝候補アルゼンチンを相手に引き分け、世界を驚かせた。北欧の小国を代表するチームの、知られざる10の秘密を紹介しよう。


監督が歯科医

アイスランド代表のヘイミル・ハルグリムソンは実は歯科医としても働いており、故郷の村へ帰って患者を治療することが彼にとっては癒しだと語っている。サッカーを離れてリラックスし、再充電することができるのだそうだ。ちなみに彼の村は船か空路を利用しないとたどり着けないとか。


ビデオゲーム名人

少年時代のヨーハン・ベルク・グズムンドソンは『カウンターストライク』というビデオゲームのエキスパートで、アイスランドの最も有名なeスポーツ大会に参加するほどだった。当時のグズムンドソンは人気の10代ロックバンドの一員でもあった。


バイキングクラップの起源

2年前の欧州選手権で世界中から注目を集めたアイスランドサポーターの「バイキングクラップ」は、アルゼンチン戦でW杯デビューを果たした。しかし実はこの応援の起源はスコットランドのマザーウェルだと言われている。マザーウェルが2014年のヨーロッパリーグ予選でアイスランドのストヤルナンと対戦した際に、サポーターが映画『300』から着想を得たこの応援を行った。ストヤルナンのサポーターはホームでバイキングクラップを使うようになり、それが瞬く間に広がってアイスランド代表の象徴となっている。


史上最小のW杯出場国

アイスランドの人口は30万人あまりで、ワールドカップ史上もっとも人口の少ない出場国だ。それ以前に最小国だったトリニダード・トバゴでも人口は約120万人おり、アイスランドの出場がいかに大きな偉業なのかが分かる。


ゴールキーパーは映画監督

リオネル・メッシのPKを止めたハンネス・ハルドーソンは母国で映画監督も務めており、最近ではW杯の大会中にアイスランドで放映されるコラコーラのCMを監督している。さらにアイスランドの映画製作会社サーガフィルムは、彼がサッカーから引退した後に仕事を依頼することを約束している。


監督がファンと試合前のミーティング

アメリカのスポーツ雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』によると、ハルグリムソン監督は試合の2時間前に必ずファンたちと顔を合わせるそうだ。メディアの立ち入りは禁止された地元のパブでのミーティングでは、先発メンバーが発表され選手が見るのと同じモチベーションを上げるための映像を流すという。これによりファンはより一層の熱気を持って、スタジアムを訪れることになる。


名前の秘密

アイスランド人の名前はほぼ全員が「ソン」または「セン」で終わる。これはアイスランドに他国で一般的な苗字のシステムがなく、代わりに誰の息子や娘かを表すスカンジナビアの伝統を使用しているためだ。


人口の6.5%がサッカー選手

アイスランドでは21万5000人がサッカー選手として登録されており、これは国の人口の6.5%に当たる。これは育成に重点を置くアイスランドサッカーのシステムの影響で、UEFAのBライセンスを持つコーチも多い。また室内グラウンドも多く、特に冬の悪天候でもサッカーをプレーできる環境が整っている。


ハルフレドソンのワインビジネス

エミル・ハルフレドソンはサッカー選手として活動するだけでなく、ワイン販売事業も手掛けている。かつてイタリアのエラス・ベローナでプレーした同選手はその際のコネクションを活かして、ベローナのワインのアイスランドへの輸入を始めた。


W杯前にアルバイト

ビルキル・マウル・サエバルソンはW杯開幕前、塩のパッキングをする仕事をしていた。しかもそれは金を稼ぐためではなかったという。サエバルソンは「一日中座って何もしない訳にはいかないからね。退屈だし、怠け者になっちゃうだろう。W杯前に怠けたくなかったんだ」とW杯のためロシアに出発する前のシフト中に語っている。