「彼らは頻繁に（C・ロナウドの）家にやってきて、一緒に暮らしているようなものだった」と語る元イングランド代表センターバックは、「彼の家に行った時は多くの人が歩き回っていて、カーニバルみたいだったよ。『いったい何が起きてるんだ？』と思ったものさ」と冗談交じりに当時を振り返っている。
C・ロナウドは長年ストイックなトレーニングで知られてきたとはいえ、この証言は改めてその徹底した生活の管理を裏付けるものだ。しかもマンチェスター・ユナイテッド在籍時と言えばロナウドが18歳から24歳の時期であり、若手時代からそのプロ意識の高さが図抜けていたことがうかがえる。
「彼は世界のトップに立つために自身に投資をして、実際にマンチェスター・ユナイテッドを離れた時には既に世界最高の選手だった」
ポルトガル人スターの信じがたいほどのプロ意識の高さを語るファーディナンドは、サッカーの才能とはまた別の点で、C・ロナウドが他の選手を大きく上回っていると考えている。
「毎年向上を続けてあれだけのことを達成するには、特殊なメンタリティと意欲、決意が必要だ。それこそが彼の違いだよ。それが彼が特別な理由なんだ」
サッカーの世界は才能だけで大きな成功を収められるものではなく、トップレベルの選手であればみな人一倍の努力を重ね犠牲を払っている。その中でもC・ロナウドが人間離れした数々の偉業を成し遂げてこられた理由の一つが、ファーディナンドが明かした成功のために生活の全てを捧げられる驚異的なメンタリティであることは間違いない。そしておそらくは幼少期から続くそうした日々の積み重ねが、大舞台でのあの重要なフリーキックを当然のように決める超人を作り出したのだろう。
著者：マリオ・カワタ
ドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter：＠Mario_GCC
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