著者:土屋一平
プレミア屈指の点取り屋シアラー
ハリー・ケインはイングランド史上最も偉大なストライカーになれるだろうか?
ワールドカップを6月に控えた今、チームを牽引するエースにはこんな疑問と期待が投げかけられている。フットボールの母国イングランドは、自国開催だった1966年に1度優勝しただけだ。それからは主要な国際大会で結果を出せずにいる。
プレミアリーグでコンスタントに活躍し、今や世界最高のストライカーのひとりと呼ばれるまでに成長したケインは、2017年にプレミアリーグで39得点を決め、年間最多得点記録を更新した。この記録を持っていた人物は、現在のケインと同じようにイングランドのエースとしてW杯を戦い、プレミアリーグ屈指のストライカーとして活躍した、アラン・シアラーだ。
右手を上げる特徴的なゴールパフォーマンスは相手チームにとっては悪夢だったはずだ。特に1994/95シーズンに、リバプールのレジェンドであるケニー・ダルグリッシュが監督を務めたブラックバーン・ローバーズでは、その前のシーズンにノリッジ・シティで活躍したクリス・サットンと「SAS」コンビ(「Sutton And Shearer」の略で、イギリスの「特殊空挺部隊」とかけている)を結成し、2人だけで49得点を記録してリーグを席巻した。クラブは最終的に優勝を果たし、シアラー自身も34得点を決めて得点王に輝いた。
その後シアラーが移籍したのは、彼の故郷であるニューカッスル・ユナイテッド。故郷への愛と、その優れた人間性で現在でもジョーディーズ(ニューカッスルファンの愛称)のアイドルであり続けるシアラーは、マンチェスター・ユナイテッドやバルセロナからのオファーがあったにもかかわらず、それ以降ニューカッスルでプレーし続けた。
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