セリエA コッパ・イタリア

ローマの地で相対するユベントスの“哲学”とガットゥーゾの“闘志”

セリエA第35節・インテル戦で逆転弾を決めたユベントスのゴンサロ・イグアイン  写真:juventus.com

マドリードとミラノで体現されたビアンコネーロの“哲学”

 「Fino alla Fine」

 イタリア語で「最後まで」を意味するこの一言はユベントスのクラブのモットーである。思えば先月はこの「Fino alla Fine」が今シーズンを通して最もピッチ上に体現された1カ月となった。

 インターナショナルマッチウィーク明けのミラン戦における勝利で幕を開けた4月だったが、“要塞”アリアンツ・スタジアムでレアル・マドリードにまさかの3失点による惨敗。誰もが「ビッグイヤーはまたもや夢に終わる」と腹をくくっていたものの、翌週のエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウでの再戦では誰もが驚愕するような巻き返しを披露。今でも疑惑の判定として語り継がれる終盤のPKにより惜しくも欧州制覇への道は閉ざされたが、それでも今季マドリードの地で“白い巨人”に唯一土をつけたクラブとして欧州の舞台に名前を残すこととなった。

 これによりユベントスはスクデット争いに集中することとなるが、ここでもユベンティーニは“覚悟”を迫られることとなる。最大のライバルであるナポリと4ポイント差で迎えた直接対決。この一戦における結果が今後のカンピオナートの行方を左右すると誰もが強く意識していたものの、終盤の失点でまさかの敗戦。ティフォージはまたもやホームのアリアンツ・スタジアムで悪夢を目撃することとなる。

 しかしビアンコネーロはここでまだ「1」ポイント優位に立っていること、スクデット獲得は自分たちのパフォーマンス次第であることを悟っていた。そして翌週末にスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで迎えた「デルビー・ディ・イタリア」で後半、10人のインテルに逆転される苦しい展開を強いられるも終了間際のわずか「2」分間で形勢逆転に成功、ミラノの地で貴重な3ポイントをもぎとったのだ。

 最後までピッチ上で戦い抜く姿勢を貫く「Fino alla Fine」の体現が功を奏したのか、ナポリの2戦未勝利という運にも助けられる形でリーグ戦2試合を残し、スクデット7連覇をほぼ確実なものとしたユベントスは、ナポリ戦での負傷により今季復帰が絶望となったイタリア代表DFジョルジョ・キエッリーニを除き、ほぼ全員が万全のコンディションで今季最初のタイトル獲得へスタンバイ。またここ数試合でビハインドの展開から驚異的な“反発力”を見せつける攻撃陣では、ブラジル代表FWドウグラス・コスタが4月に2ゴール6アシストを挙げクラブ月間MVPに輝く活躍を見せており、敵将ガットゥーゾも同選手への警戒感をあらわにしている。

ページ 2 / 3