その反省点を踏まえた上で臨んだはずのFC東京戦でも、大きな改善は見られなかった。前半14分にセットプレーから先制点を奪ったことでリトリートして川崎にボールを持たせる戦略を取ったFC東京に対し、川崎は前線での動きが乏しく相手の中盤とディフェンスの2ラインを動かすことができない。特に前半は最前線の知念がデュエル17回のうち1回しか勝利できずに相手センターバックに完全に封じられ、大久保も1トップに入った後半こそ比較的ボールに絡めるようになったものの、試合を通してのボールタッチ数は出場時間が半分の中村憲剛(58回)より少ない34回しかなかった。
その中村がハーフタイムに知念に代えて投入されると、ベテラン司令塔の個人技と効果的なランニングで前線が活性化され、チームとして前半よりも相手のラインを乱す動きができるようになる。しかしその矢先にフリーキックから失点し、前半と同じくセットプレーの守備に足を引っ張られることになった。
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