Jリーグ 川崎フロンターレ

支配率で圧倒しながら守備を固める相手を攻略できず。180分間沈黙した川崎の苦悩

浦和(左)と川崎(右)がポゼッションを失った位置の分布図(ともに上が敵陣)。 写真提供:Wyscout

 しかし、これらの数字がゴールに繋がることはなかった。自陣に引いて守備ブロックを形成する相手に対し、その周囲でボールを回すばかりで肝心のゴールに迫るシーンは数えるほどしかなかった。浦和戦後、鬼木監督は「最後のところで背後を取りにいくところ、あとは危険なところにボールを運ぶという作業がすこし少なかった」と語っているが、たしかにこの試合で川崎が試みたスルーパスの成功率は27.3%にとどまっている。

 またボールを失った位置を見ても相手ペナルティエリアの手前が非常に多くなっており、相手陣内でボールを持ちながらもなかなかゴールに近づけなかったことが分かる。浦和がペナルティエリア内から7本のシュートを打ちそのうち6本を枠に飛ばしているのに対し、川崎は完全にペナルティエリアの中から放ったシュートは4本のみ。ディフェンスを崩しきれずに遠目から狙ったシュートが全体(13本)の半数以上の7本となっている。

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