
それは一つ試合の中に限らず、対戦相手に合わせて戦い方を変えることが可能であることも意味している。引き続きボール奪取を基準にして詳しく見てみよう。
柏戦で最多を記録したのは高杉亮太と徳永悠平(ともに9回)、それに続くのが田上大地(8回)、飯尾竜太朗、翁長聖(ともに7回)で、これはそのまま最終ラインの5人のディフェンダーである。このスタッツからも柏戦では重心を低く置いて、主にスペースのない自陣深くで守備を行っていたことが分かる。
しかし全ての試合で同様の戦い方を採用しているわけではない。同じ1-0のスコアで勝利した11日の清水戦では自陣ゴール近くでのボール奪取は35.1%しかなく、中盤と前線でボールを奪った割合は64.9%に上っている(柏戦では37.3%)。
最も多くポゼッションをリカバーしたのは田上、中村、中原彰吾(ともに10回)、それに続くのが黒木聖仁(9回)で、このうち最終ラインの選手は田上だけだ。つまり試合によってボールを奪う位置とその役割を担う選手が全く異なるのだ。
状況と相手に合わせて最適な戦い方ができることも、長崎が堅守とそれに基づいた好調を維持できている要因の一つだろう。
28日は、同じく被爆地を本拠とするサンフレッチェ広島との『ピースダービー』。最近の数試合と同様に驚異的な運動量に支えられた高い守備意識、戦術的柔軟性を存分に発揮できれば、堅守を武器に首位を走るチームを苦しめることは十分に可能なはずだ。
著者:マリオ・カワタ
ドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC
コメントランキング