フィニッシュが劇的にうまくなった訳ではない
彼が昨年、単純にフィニッシュがうまくなったと考えるのはやや無理がある。25歳の彼は若手選手ではない。フィジカルとテクニックに関しては、ローマ時代とほとんど変わらないように見える。しかしこの考えの証拠となりそうなデータもある。彼のシュートの正確性は62%で、昨季を9%も上回っているのだ。
残念ながらこうしたスタッツは何が起こったかは示すが、どうのようにそれが起こったかまでは分からない。一部の人々はクロップのおかげでサラーはより正確で安定したフィニッシャーになったと考えている。大胆な予想ではあるが、確かに一理ある。ただ彼が今季ゴール数を増やす上で最も重要だったのはトレーニンググラウンドでのシュート練習ではなく、ドイツ人指揮官の戦術だ。
ローマでのサラーは、実質的に4枚の前線で右ウィンガーを務めた。エディン・ジェコが中央で起点となり、ラジャ・ナインゴランがその周囲で躍動していた。サラーはリバプールでも右ウィングでプレーしているが、システムには大きな違いがある。
クロップの攻撃は、典型的なセンターフォワードのいない3トップから成る。このためサラーは1トップにボールを供給する必要も、ワイドなポジションを取る必要もない。代わりにディフェンスラインの裏ではなく、しばしばポジションを下げるリバプールの偽9番であるロベルト・フィルミーノの後ろで、鋭いダイアゴナルな動きを求められている。
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