8月6日、J2ヴァンフォーレ甲府は、ブラジル人FWイゴール・トーレス・サルトーリ(29)の加入を発表した。イゴールの父親は、かつて鹿島アントラーズ(1993-1994)やヴェルディ川崎(1995、現東京ヴェルディ)で活躍したアルシンド・サルトーリだ。鹿島での50得点を挙げる活躍はもちろん、テレビCMにて『アルシンドになっちゃうよ~』というフレーズで人気を博したFW選手であった。
息子イゴールも2011年には鹿島に所属した経験を持ち、2022年4月までは中国の梅州客家足球倶楽部でプレーしていたが、この度再来日となっている。甲府は今2022シーズン第30節を終えて13位。とはいえ失点数は上位チームと遜色なく、得点力不足を解消できればJ1参入プレーオフ圏である6位までは勝ち点差9と可能性を残す。イゴールの活躍で、大逆転でのプレーオフ圏浮上は叶うだろうか。
ここでは、アルシンドとイゴールのように、親子でJリーガーとしてプレーした選手達をまとめてみよう。
ハーフナー・ディド(父)ハーフナー・マイク(長男)ハーフナー・ニッキ(次男)
初の日本人親子Jリーガーとして有名なのが、日本代表でもプレーしたハーフナー・マイク(現FC.Bombonera=東海社会人リーグ2部)だろう。194cmの圧倒的な高さを誇るストライカーであり、2006年に横浜F・マリノスへ入団し、ヴァンフォーレ甲府時代の2009年には20得点でJ2得点王に。その後はSBVフィテッセ(オランダ)、コルドバCF(スペイン)、ADOデン・ハーグ(オランダ)など海外での経験も重ねた。
マイクの父親ハーフナー・ディドは、日本サッカーリーグ(JSL)時代の1986年に来日し、Jリーグでは名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)やジュビロ磐田などでプレーした名GKだ。また、マイクの弟であるハーフナー・ニッキも、2013年に名古屋グランパスへ入団した元Jリーガー。現在はスイス2部のFCトゥーンに所属している。
水沼貴史(父)水沼宏太(長男)
この7月、EAFF E-1サッカー選手権2022で日本代表の一員としてプレーし、正確なクロスと突破力で優勝に貢献した水沼宏太(横浜F・マリノス)も親子Jリーガーである。水沼宏太は2007年、17歳にして横浜FMでJリーグデビュー。栃木SC、サガン鳥栖、セレッソ大阪などで経験を積み、2020年には横浜FMへ帰還した。
宏太の父親である水沼貴史(現サッカー指導者・解説者)も、横浜FMの前身である日産自動車の黄金期を築き、その後の横浜FMで活躍した名プレーヤーであった。日本代表としても、国際Aマッチ32試合に出場している。親子で同じクラブで活躍し、共に日本代表に選ばれ出場したのは本当に稀有なことだ(親子2代の代表選出はJリーグ史上初)。32歳にして初キャップを飾った宏太の今後のキャリアが楽しみである。
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