シント=トロイデンVV(STVV)を率いるベルント・ホラーバッハ監督は、主力のFW鈴木優磨(25)が明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズへ移籍したことをはじめ、日本人幹部による選手の編成に対して不満を抱いているようだ。21日、ベルギーメディア『VOETBAL』が伝えている。
STVVは昨夏の移籍ウィンドウでサガン鳥栖から東京五輪U24日本代表FW林大地(24)を完全移籍で獲得したほか、ラ・リーガ(スペイン1部)のデポルティーボ・アラベスからFW原大智(22)をレンタル移籍で獲得するなど、攻撃陣を強化。しかし、昨季リーグ戦で17ゴールをあげた鈴木優磨の不振もあり、今季は序盤から決定力不足を露呈。ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)第22節終了時点で22ゴールとリーグで2番目に少ない数字となっている。
その中、『VOETBAL』の報道によると、ホラーバッハ監督はさらなるストライカーの獲得を昨年からクラブ幹部に訴えていたとのこと。しかし、今冬の移籍ウィンドウでは鈴木優磨が鹿島アントラーズに復帰したほか、FW伊藤達哉(24)がドイツ3部のマクデブルクへ期限付き移籍。指揮官の意に反する形で、すでに前線の2選手を放出しているほか、現時点でストライカー獲得には踏み切っていない。
また、STVVはセリエA(イタリア1部)のサッスオーロからセリエB(イタリア2部)のアレッサンドリアへレンタル移籍しているU21イタリア代表GKアレッサンドロ・ルッソ(20)の獲得に向かっていると報じられている。
ホラーバッハ監督は第23節・セラン・ユナイテッド戦の前日記者会見でクラブの補強に言及。鈴木優磨の退団やルッソ獲得の噂に対して「また私より多くのことを知っているのか。私は自分が影響力のあることに関心がある」と語るなど、日本人幹部に不信感を募らせている。
なお、STVVは昨年9月に行われた日本代表FW伊東純也(28)所属のKRCヘンクとのダービーマッチで、ホームスタジアムに空席が目立ったことが現地で話題になっていた。現地のジャーナリストが「ヘンクのホームスタジアムでは、ピッチでのトレーニング開始時点で80%(の席)が埋まっている。なぜSTVVでは同じようなことができないのか。(スタジアムには)毎年同じ歌が流れている」
「しかも、STVVは何百万ユーロもかけて選手を獲得するようなことはしない。ペーター・マースはこのクラブを去ったが、今回やって来た監督のクオリティも不十分だ。私は日本人(の経営者)が過去のことから学ばないことが理解できない」と日本人幹部を批判していただけに、STVVに対する現地の評価は相当低いようだ。
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