ヨーロッパリーググループステージ最終節リエカ対ミランが行われ、2-0でリエカがミランを下した。
この試合、ガットゥーゾ新監督は過密な日程とすでにGS突破を決めていることからか、スタメンを、主力を大幅に温存したメンバーで臨んだ。19歳の二コラ・ザッネラートとマヌエル・ロカッテリで中盤を構成し、ガブリエル・パレッタを今季公式戦で初先発、初出場させるなど大胆な采配を見せた。結果的にこの起用はミランに良い結果をもたらさなかった。
この日のミランはプレースピードがあまりにも遅かった。サパタはクブルビッチのスピードに全くついていけず終始苦しめられていた。また、リエカ右サイドハーフのアコスティはこの試合で高いパフォーマンスを発揮しており、この試合でもっとも躍動した選手といえるだろう。
2-0で敗れたミラン。1失点目はセットプレーからだった。ルーカス・ビリアのファールによりゴール正面やや左でFKを得たリエカ、これをプルジッチがニアポストの内側をたたく完璧なキックで沈め先制に成功する。2失点目は流れの中からの得点だった。左サイド深い位置からの折り返しをカブラノビッチがゴールに流し込んだ。
このシーンではこの日、芳しくないプレーを見せていたパレッタの寄せの甘さが露呈した。マークに遅れていたわけでもないのにシュート体制を作られ、結果的にゴールを許している。1失点目はリエカをほめるべきだろう。しかし、この失点はパレッタがなぜ先発出場出来ていないかを示すプレーとなってしまった。
セリエAではベネベントGKブリニョーリよりもゴールを決めていないが、ELでは好調を維持していたアンドレ・シウバもこの試合では沈黙した。ボールに触る機会は多かったものの、決定的な仕事は何一つできなかった。ボールを受けるまでの工夫が少ないように感じる。いい位置でボールを受ければゴールをこじ開けられることをELでは証明しているだけに、この面に関しては成長が必要だろう。ELでは格下との対戦が多く、パスを受けやすいこともリーグ戦とELでの活躍にギャップがある理由とも言えるだろう。
後半は4-4-2にシステムを変更したガットゥーゾ監督だったが改善は見られなかった。後半で良いプレーを見せていたのは、アレッシオ・ロマニョーリぐらいだった。右サイドで効果的だったアコスティをしばしば封じていた。スタメンに抜擢されたザッネラートはチームに入り込むことができておらず、74分に交代させられている。
CL出場権確保をプロジェクトの基礎と主張してきたミラン。しかし、リーグ戦では早々に上位争いから離脱しており、CL出場権の確保は現実的とは言えない。アトレティコ・マドリード、ボルシア・ドルトムント、アーセナルとビッグクラブが多く出場することになったELの優勝がミランに残された、唯一の方法ではないだろうか。
ガットゥーゾ監督はELノックアウトラウンドが始まるまでに、チームに戦術的な答えを提示しなければならないだろう。暫定的な監督とは言え、責任は非常に大きい。
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