1964年以来57年ぶりの日本開催となる東京2020オリンピック(東京五輪)。新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴って1年延期となり、今年7月23日から8月8日にかけての開催予定で進められている。
1908年のロンドンオリンピックから公式種目になった男子サッカー競技。今回この種目に出場するのは、開催国である日本、アジア3カ国、ヨーロッパ4カ国、南米2カ国、アフリカ3カ国、北中米カリブ2カ国、オセアニア1カ国の、計16カ国からの代表チームとなっている。
通常オリンピックの男子サッカー競技では23歳以下(U-23)の選手と3名のオーバーエイジ(OA)枠の選手に参加資格が設定されている中、東京2020では1年の延期に合わせて24歳以下(U-24)となった。4月21日に行われた抽選会で、グループステージの組み合わせは下記のように決定。決勝ラウンドに進むのは各グループ上位2チームとなる。
- グループA:日本、南アフリカ、メキシコ、フランス
- グループB:ニュージーランド、韓国、ホンジュラス、ルーマニア
- グループC:エジプト、スペイン、アルゼンチン、オーストラリア
- グループD:ブラジル、ドイツ、コートジボワール、サウジアラビア
ここでは、イタリア人ライターのウッケッドゥ・ダビデが、東京2020男子サッカー競技の優勝候補となる代表チームについて、また日本代表の状況や可能性についてを考察。あなたの見解は?
優勝候補その1:ブラジル
優勝候補から外せないのは、2016年リオ五輪で金メダルを獲得した前王者ブラジルであろう。ブラジル代表メンバーには、アーセナルに所属するDFガブリエウ、リヨンに所属するMFブルーノ・ギマランイスなど、欧州一流クラブで活躍中の選手が揃う。また、同大会でしっかりアピールし、次シーズンにヨーロッパ移籍を目指す若手選手のハングリー精神も侮れない。
力の有り余った若手選手に安定をもたらす役目を持つのは、OA枠で選出されたセビージャのDFジエゴ・カルロス、10年以上前からアトレチコ・パラナエンセ(ブラジル1部)のゴールを守っているGKサントス、そして5月に38歳となった元バルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマンのダニエウ・アウベス(現サンパウロ)である。
また、今回ブラジル代表を指揮するアンドレ・ジャルディン監督にも注目したい。トップクラブでの監督経験が浅い(2018年11月〜2019年2月サンパウロのヘッドコーチとなったのみ)ことは確かにあるが、2019年からU-20とU-23両方の代表を監督しており、東京五輪に出場する若手選手の個性や性格もよく知るため、チーム全員の力を最大に生かせるはずだ。
優勝候補その2:スペイン
現在開催中のユーロ2020準決勝(7月7日)でPK戦の末イタリアに敗れたスペイン(1-1、PK2-4)。欧州最強を決める大会で大激戦を繰り広げた直後にもかかわらず、ユーロのメンバーからはウナイ・シモン、パウ・トーレス、エリク・ガルシア、ペドリ、ダニ・オルモ、ミケル・オヤルサバルが来日する。ユーロで果たせなかった優勝をオリンピックで挽回したいに違いない。
金メダルを狙うスペイン代表若手選手にOA枠として加わり大活躍を期待できるのは、レアル・マドリード所属のコンビ、MFマルコ・アセンシオ(25歳)と、2019年から2021年にかけてアーセナルにレンタル移籍していたMFダニ・セバージョス(24歳)である。
このOA枠の2選手は、まだ年齢的には若いながらチャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)の多くの試合に出場してきており、立派な国際経験を持つ。スペイン代表の大きな武器となるだろう。
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