海外日本人選手 Jリーグ

海外組・Jリーグ日本人選手ベストイレブン【2026年10月27日~11月1日】

佐野航大(左)仲川輝人(中)坂元達裕(右)写真:アフロスポーツ

Jリーグは中盤戦に入り、J1は首位を含む4チームが勝ち点2差以内にひしめく大混戦となっている。J1第13節ではFC東京がファジアーノ岡山を下し、単独首位に立った。それを追う2位のサンフレッチェ広島も水戸ホーリーホックに完勝し、上位争いは激化している。海外でも日本人選手が各地で存在感を示し、コベントリー・シティのMF坂元達裕はプレミアリーグ初ゴールを決めてチームの降格圏脱出に貢献した。

ここでは、2026年10月27日〜11月1日の試合を対象に、欧州クラブ所属の日本人選手とJリーガーのパフォーマンスを最重視して「ベストイレブン」を選出する。リーグレベルの勘案は最小限に抑え、11人をピックアップした。フォーメーションは週ごとに変動するが、今回は【3-4-3】とする。


ミオ・バックハウス(日本名:長田澪) 写真:アフロスポーツ

GK長田澪/ミオ・バックハウス(フライブルク/ブンデスリーガ)

逆転勝利を支えた安定したセービング

10月31日:ブンデスリーガ第8節/アウクスブルク vs フライブルク/WWKアレーナ(アウェー)/1-2

フライブルクのGK長田澪は、ヴェルダー・ブレーメンで頭角を現し、2026/27シーズンを前にフライブルクに移籍した。ドイツ人の父親と日本人の母親を持ち、小学生年代に川崎フロンターレの下部組織でプレーした経験もある。ドイツのユース年代代表(U-18〜U-21)に招集されていることから、A代表としては、どちらの代表チームを選ぶか、その去就が注目されている逸材だ。

この試合でも先発フル出場。前半18分にアウクスブルクに先制を許したものの、33分には決定機を好セーブで防ぐなど、冷静な対応でチームを支えた。チームは後半に追い付き、終盤に逆転。長田の安定したプレーが逆転勝利を呼び込む要因となった。DFBポカール(ドイツ杯)では休養したが、リーグ戦でしっかり結果を残した点は評価できる。22歳ながら正守護神として定着し、チームも優勝を狙える順位にいる。さらなるハイレベルな対応が求められる場面も増え、その経験は彼にとって更なる成長を促すだろう。


橋岡大樹 写真:アフロスポーツ

DF橋岡大樹(ボルシア・メンヒェングラートバッハ/ブンデスリーガ)

デュエルで競り勝ち相手に得点を許さず

10月31日:ブンデスリーガ第8節/ボルシアMG vs パーダーボルン/ボルシア・パルク(ホーム)/0-0

ボルシア・メンヒェングラートバッハのDF橋岡大樹は、前節のシュツットガルト戦でフル出場し今季初勝利に貢献した直後、DFBポカール(ドイツ杯)を欠場した。パーダーボルン戦で復帰し、3バックの右CBとして先発フル出場した。ドイツ紙『ビルト』がチーム最高タイの「2点」(1が最高)をつけ、「デュエルに勝ってガッツポーズを見せるなど、高いモチベーションを感じさせた。一方で、遅延行為で受けたイエローカードはまったく不必要だった」と評した。警告は前半41分に受けたものだった。

対人・空中戦で存在感を発揮した。チームは連勝こそ逃したが、今季初の引き分けとなる価値ある勝ち点1を得た。開幕から苦しいチーム事情の中、徐々に適応を見せつつある今季の橋岡の安定感が光り、完全移籍(現在はチェコのスラヴィア・プラハから買い取りオプション付きの期限付き移籍中)も視野に入れた活躍が期待される。


中野就斗 写真:アフロスポーツ

DF中野就斗(サンフレッチェ広島/J1リーグ)

攻撃参加で1G1A、完封勝利を後押し

10月31日:J1第13節/水戸ホーリーホック vs サンフレッチェ広島/水戸信用金庫スタジアム(アウェー)/0-3

サンフレッチェ広島のDF中野就斗は、右サイドで先発フル出場。前半30分にFW鈴木章斗の先制ボレーをピンポイントクロスでアシストし、後半9分には右サイドを突破して自身も左足で追加点を挙げ、1ゴール1アシスト。前半21分に水戸ホーリーホックが退場者を出した数的優位の展開を活かした攻撃参加と守備でのカバーが光り、チームの3-0完勝と暫定2位浮上に貢献した。代表経験もある安定したプレーを見せたが、守備の位置取りでやや前に出すぎる場面もあり、バランスが課題として残る。J1の強度でこの貢献を続ければ、代表のオプションとしてさらに注目される。


酒井宏樹 写真:アフロスポーツ

DF酒井宏樹(オークランド/オーストラリア・Aリーグ)

今季初ゴールの豪快ミドルで存在感

10月30日:Aリーグ第3節/オークランド vs ブリスベン・ロアー/サンコープ・スタジアム(アウェー)/1-1

オークランドのDF酒井宏樹は、ブリスベン・ロアー戦に右サイドバックとして先発し、前半11分にエリア外から右足の低弾道ミドルシュートをゴール左隅に突き刺して先制点。今季公式戦初得点となった。チームは引き分けたが、存在感を発揮した。昨季のAリーグを制したチームにあって、ベテランの攻守のバランスが光り、クラブ公式も「鮮烈な先制弾」と称えた。36歳ながら海外で結果を残し続ける姿勢は称賛に値する。豪州(チームの本拠地はニュージーランド)での安定したパフォーマンスは、ベテランの役割を再確認させる内容だった。


小泉佳穂 写真:アフロスポーツ

MF小泉佳穂(柏レイソル/J1リーグ)

古巣相手に1ゴール2アシストの活躍で大勝を演出

10月31日:J1第13節/柏レイソル vs 浦和レッズ/三協フロンテア柏スタジアム(ホーム)/4-0

柏レイソルのMF小泉佳穂は、古巣の浦和レッズ戦にフル出場し、先制ゴールと2アシストを記録。前半37分にこぼれ球を押し込んで先制すると、後半23分のMF弓場堅真、後半45分のMF久保藤次郎のゴールをアシストした。古巣相手に冷静にプレーし、戦術的な賢さと守備強度もリカルド・ロドリゲス監督から高く評価された。試合後には「子どもの前でいいプレーができて良かった」と笑顔を見せ、「結果を残せたかどうかは大きな意味を持つ。そんな勝利だった」と先発9人を入れ替えた一戦の意義を語った。

連戦が続くチームにとって、控え組を含めて結果を残した意味は大きい。攻撃の質は高く、代表の中盤オプションとして、このような試合での決定力は大きなアピールとなる。

Previous
ページ 1 / 2

名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

【筆者記事一覧】