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流通経済大・中野雄二監督は辞任必至!?高校・大学サッカー界で続く暴力・暴言の実態とは

中野雄二監督 写真:アフロスポーツ

 流通経済大学サッカー部は一部部員の大麻使用疑惑により活動停止となっていたが、4月8日に処分がすべて解除。近日中に関東大学サッカーリーグへ復帰予定だが、指導者である中野雄二監督は依然として監督職にとどまっている。大学側は「部の再建」を掲げるが、そもそも今回の一連の問題に監督自身が深く関わっているという事実を、私たちは軽視してはいないだろうか。

 筆者はこの問題を機に、大学・高校サッカー界における指導者の不祥事について改めて調べ直してみた。すると、2024年から2025年にかけてだけでも、解任・辞任・処分に至った事例が少なくとも6件確認できた。

 まず高校年代から見ていく。星稜高校では、河崎護総監督が部員への暴言や平手打ちなどの暴力行為を理由に解任された。強豪校として全国的に知られるチームで起きた出来事は、大きな衝撃を与えた。秀岳館高校では、段原一詞監督(当時)による暴行動画がSNS上に拡散。その後の調査では、実に53件もの暴力行為が認定されるという凄惨な実態が明らかになった。東邦高校では外部コーチによる体罰が繰り返され、被害を受けた生徒が転校を余儀なくされた。監督は「黙認していた」として指導停止処分を受けている。相生学院高校では、上船利徳監督が炎天下での長時間指導など不適切な指導を理由に解任。十文字高校(女子)では、監督が人格を否定するような暴言を繰り返したとして解任処分を受けた。「再発」という報道もあり、組織としての管理体制そのものが問われた。

 大学年代でも状況は変わらない。専修大学では、源平貴久監督(当時)が暴言疑惑と不正経理問題によって辞任に追い込まれた。手打ち、暴言、蹴り。これらは過去の話でも、一部の例外でもない。現在進行形で、サッカーの指導現場で起きていることだ。

 こうした文脈の中で、あらためて流通経済大・中野雄二監督の立場を整理する必要がある。中野監督はそもそも、部員の大麻問題が発覚する以前から、他大学の監督へのパワーハラスメント行為を理由に職務停止処分を受けていた。指導者としての適格性が問われる事案がすでに存在していたのだ。そこに追い打ちをかけるように、部内での違法薬物問題が明るみに出た。

 さらに見過ごせないのが、現在の立場だ。中野監督は全日本大学サッカー連盟の理事長職・理事職についても活動自粛を勧告されている。日本の大学サッカー界全体を統括する立場にある人物が、自らが率いる部でこれほどの問題を抱えながら、監督職にとどまり続けている。この事実の重さを、関係者はどう受け止めているのだろうか。

 前述のように、高校・大学サッカー界では多くの指導者が、暴力・暴言・不正といった問題を理由に解任または辞任してきた。それが指導者としての最低限の責任の取り方だと、多くの事例が示している。

 しかし中野監督は違う。活動停止が解除されたこのタイミングで、監督として「復帰」する可能性が残っている。これが選手たちに、そして次世代のサッカー少年・少女たちに、何を伝えることになるのか。「問題を起こしても、実績があれば残れる」そんなメッセージを、日本のサッカー界が発信してしまうことにはなる。過去の事例を踏まえると、中野監督の解任・辞任が必要不可欠だ。