Jリーグ 湘南ベルマーレ

元湘南・大宮の指導者が説く!海外移籍で成功する日本人選手の条件「技術以上に…」

湘南ベルマーレ 写真:アフロスポーツ

 湘南ベルマーレ、大宮アルディージャ(現RB大宮アルディージャ)の下部組織でコーチ経験のある倉本和昌氏が、自身のXで「日本人選手が海外で活躍するための条件」について持論を展開し、育成の在り方に一石を投じている。

 倉本氏は投稿の中で、海外で結果を残すために必要な要素として「サッカーの技術以上に適応力が重要である」と指摘。言語や文化、食生活など、競技外の環境変化に対応できるかどうかが、選手のパフォーマンスを左右すると強調した。環境に順応できなければ、どれだけ高い技術を持っていても実力を発揮することは難しいという考えだ。

 この見解は、日本人選手の海外進出が加速する現代のサッカー界において、改めて重要な視点を提示している。欧州では、戦術理解や身体能力に加え、コミュニケーション力や精神的な強さが求められる。倉本氏は、言葉が通じない状況でも臆せずチームに溶け込み、文化的な違いを受け入れる柔軟性こそが、国際舞台で成功するための基盤になると説いた。

 さらに、こうした考えは選手だけでなく指導者の役割にも及ぶ。倉本氏は「子どもたちにサッカーが上手くなることだけを求めるのはもったいない」とし、競技力向上と同時に人間的成長を促す指導の必要性を訴える。育成年代においては技術や戦術の習得に加え、異文化適応力や主体性を育む教育が不可欠だという考えを持っているとみられる。

 倉本氏のキャリアは、この思想の背景を理解するうえで重要だ。高校卒業後、プロコーチを志してスペインのバルセロナへ単身留学。現地で5年間にわたり育成年代の指導に携わった後、スペイン北部ビルバオへ拠点を移し、アスレティック・ビルバオの育成メソッドを研究しながら地域クラブで指導経験を積んだ。2009年にはスペイン上級ライセンスを日本人最年少で取得し、帰国後は湘南と大宮のアカデミーでおよそ8年間指導に当たった。

 2018年にはスペインと日本で培った知見をもとに独立し、「指導者の指導者」としてコーチ養成講座を展開。チームの勝利と個人の成長を両立できる指導者育成をテーマに活動している。こうした経験が、単なる戦術論にとどまらない包括的な育成哲学につながっていると言えそうだ。