
3:サポーターとのコミュニケーション
昇格の可能性が途絶えた直後、札幌サポーターは翌第36節大分トリニータ戦の試合前に、チームへメッセージを伝えるべく2枚の横断幕を掲出した。横断幕には「本気で勝利にこだわるチームへ生まれ変われ」「同じ方向を向いて戦えない。クラブを支える人たちが納得できる明確なビジョンの『共有』を」といった言葉が記され、選手だけでなくフロントにも向けられたメッセージと受け取れる内容だった。
当初「1年でのJ1昇格」を掲げていた札幌だったが、昇格はおろか前述のフィロソフィーすらも体現できていない現状に、サポーターの不満が強まり今回の掲出につながったとみられる。まずは、クラブとしての方向性やビジョンを整理・共有し、そのうえでサポーターへ具体的な説明を行うことが求められるだろう。

4:チーム戦術
今季、札幌の監督に就任した岩政大樹氏は「ミシャサッカーの継承と前進」を掲げてチームづくりを進めていた。しかし、シーズンが進むにつれて課題だった守備の改善を図るため、徐々にミシャサッカーからの脱却を試みる方針へと舵を切った。これに対し、石水社長は「攻守において相手を圧倒する攻撃的なサッカーが表現できなかった」ことや成績不振を理由に岩政氏を解任。さらに「今コンサドーレにいる選手は、ミシャさんの攻撃的サッカーに惹かれて入った人が非常に多い」「今やっているサッカーはそこからかけ離れている」とも述べ、スタイルの不一致が大きな要因だったことを明らかにした。
そもそもミシャサッカーは、個々の能力や戦術理解度が高い選手でなければ体現が難しいサッカーである。攻撃時に厚みを持たせるべく、前線に人数を掛けるため、ボールを失った際は中盤に大きなスペースが生じる。その結果、カウンターを受けるリスクが常に高く、今シーズンも第36節終了時点で総失点「62」と、J2でワースト2位の数字となっている。現スカッドの構成を踏まえると、ミシャ時代と同じスタイルを貫くことは難しい状況にあると言える。それにもかかわらず、クラブがミシャイズムの継承に強くこだわるのであれば、サポーターが不満を募らせるのも無理はない。

5:選手編成と補強
今オフは、クラブの現状を踏まえた現実的な選手編成が求められる。人件費削減のため、稼働率の低い選手との契約は見直す一方で、「フットボールフィロソフィー」に沿った選手の獲得や、今季MFながら10ゴールを挙げた高嶺朋樹や、大ブレイクを果たしたDF西野奨太ら主力の慰留に努めることが重要となる。こうした今オフの取り組みが、サポーターの信頼回復への第一歩となるだろう。最後に、今オフの動向によって札幌に明るい光が差し込むことを期待したい。
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