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スカパー!が撤退。ブンデスリーガ放映権はどこが取る?候補5社を比較

ブンデスリーガ 写真:Getty Images

2025年5月、「スカパー!」を運営するスカパーJSAT株式会社が、2024/25シーズンをもってブンデスリーガの放送・配信を終了すると発表したニュースは、ファンに動揺を与えた。

2018/19シーズンから7シーズンにわたり、日本のブンデスリーガ中継を支えてきたスカパー!。ABEMAやAmazonプライムビデオとの提携による無料配信や低価格プランも好評だっただけに、ファンの間では「次の放映権はどこが取るのか?」という議論が白熱している。

ここでは、来2025/26シーズン以降のブンデスリーガ放映権の行方を、候補として挙げられるサブスクリプションサービス(DAZN、U-NEXT、ABEMA、Amazonプライムビデオ、Disney+)を比較しながら予想していく。


バイエルン・ミュンヘンのサポーター 写真:Getty Images

平均観客動員数世界一のブンデスリーガ

ドイツ1部リーグであるブンデスリーガは、昨2024/25シーズン王者のバイエルン・ミュンヘンや、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)8強に残ったボルシア・ドルトムントといった名門クラブがしのぎを削り、平均観客動員数は世界一を誇っている。

日本市場においては欧州5大リーグ(プレミアリーグ、セリエA、ブンデスリーガ、ラ・リーガ、リーグ・アン)の中でも特に人気があり、放映権の獲得はサブスクサービスにとって魅力的なサッカーコンテンツ提供に繋がる。

日本人選手の活躍も注目されており、2024/25シーズンにはMF堂安律(フライブルク)、DF板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)、DF伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)、MF佐野海舟(マインツ)、FW町野修斗(ホルシュタイン・キール)、DFチェイス・アンリ(シュツットガルト)が名を連ね、来2025/26シーズンからはここにMF鈴木唯人(フライブルク)が加わる。

これまではスカパー!が独占放映権を持ち、ABEMAやAmazonプライムビデオにサブライセンスを提供する形を取ってきた。2025/26シーズンの放映権は宙に浮いている状態だが、水面下では激しい放映権獲得競争が繰り広げられているだろう。新たな企業がどのような配信形態を取るのか、ファンにとっては料金や視聴環境も含めた大きな関心事である。


DAZN 写真:Getty Images

DAZN:スポーツ配信のトップランナー

DAZNはスポーツに特化したサブスクサービスとして、日本国内で圧倒的なシェアを持つ。サッカーでは現在、Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンなどを配信しており、現在開催中のFIFAクラブワールドカップ(6月14日から7月13日)の全試合も独占無料配信している。

ブンデスリーガに関しては、2016-17、2017-18シーズンに放映権を保有していた過去があり、DFBポカール(ドイツカップ)は現在も独占配信中である。

DAZNのメリットは、スポーツ配信のトップランナーとしての実績やインフラが整っている点だ。ブンデスリーガの日本人選手の試合を中心に、既存のファン層に訴求しやすいだろう。

課題として挙げられるのは、すでに多くのリーグの放映権を抱えているため、さらなる高額な放映権料負担は値上げに繋がるリスクがある点だ。ただでさえ度重なる値上げ(2024年2月14日より月間プラン月4,200円)によってユーザーから不満の声が上がっている。「値上げ無し」という前提に立てば、積極的に動くかは不透明だ。


ラ・リーガ 写真:Getty Images

U-NEXT:サッカーコンテンツ拡大に意欲的

U-NEXTの歴史を遡ると、その萌芽は1961年創業の「有線音楽放送」という、当時全く新しいサブスクサービスを展開した株式会社USEN(1964年創立当初は株式会社大阪有線放送社)に辿り着く。2007年6月に動画配信サービス「GyaO NEXT」としてサービスを開始し、2009年にU-NEXTに名称を変更。2023年には「Paravi」と経営統合した。

当初は映画やドラマの配信が中心だったが、近年ではサッカーコンテンツの拡充に力を入れている。2024/25シーズンはプレミアリーグとラ・リーガの独占配信を開始し、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)、スーペルコパ・デ・エスパーニャ(スペインスーパーカップ)、FAカップも配信。一気に欧州サッカー配信のトップに躍り出た。ブンデスリーガの放映権獲得は同社の経営戦略に合致するだろう。

U-NEXTは、サッカーパック単体では月額2,600円だが、毎月1,200円分のポイントが付与され、実質月額1,400円で利用できる。豊富なサッカーコンテンツを提供しており、ブンデスリーガを追加することでさらなる契約者の伸びが期待される。放映権を最大限に活用したオリジナルコンテンツも制作しているため、二次使用による特集番組にも期待したい。

一方、スポーツ配信事業への参入が比較的新しく、知名度の点ではDAZNにまだ届いていない。さらに高額な放映権料は月額料金の値上げや新プラン創設を必要とする可能性がある。しかしながら、サッカーコンテンツ拡大に意欲的で、ブンデスリーガ放映権獲得によってブランド強化に繋がり、DAZNに追い付き追い越す可能性もあるだろう。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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