
京都サンガ(1996シーズン以降のべ24人)
京都サンガは、1996シーズンからJリーグ入りし、2部制が導入された1999シーズン以降、J1で12シーズン目を戦う。一方、15シーズンにも上るJ2暮らしが長かったことで、なかなか監督人事が安定しないクラブだった。
現在の曺貴裁(チョウ・キジェ)監督は、クラブ最長の5シーズン目を迎え、チームも首位争いを繰り広げるなど絶好調だ(現時点3位)。曺監督自身は、京都でのプレー経験はないが、進学校としても知られる京都府立洛北高校出身とあって、ようやく理想の指揮官に出会えた感が強い。
京都唯一のタイトルである2002年天皇杯優勝時はゲルト・エンゲルス監督だったが、基本的には外国人監督との相性が悪いクラブでもある。曺監督は湘南ベルマーレの監督時代(2012-2019)、パワハラ行為によって1年間のコーチライセンス停止処分を受けた過去があるが、同じ過ちを犯さない限り、長期政権を築く可能性もあるだろう。

清水エスパルス(1993シーズン以降のべ24人)
1993年のJリーグ創設から参加している「オリジナル10」の1つで、元々はそれほど監督交代を繰り返すクラブではなかった清水エスパルス。
しかし、長谷川健太監督(2005-2010)、アフシン・ゴトビ監督(2011-2014途中)の後、2シーズン連続で監督交代を繰り返し、J2降格も経験すると、2019シーズンから2023シーズンまで5年連続で監督を途中解任し、方針に一貫性のないクラブというイメージが定着してしまう。
監督途中交代11回という記録は、オリジナル10の中では浦和レッズの10回を超える“不名誉なJ記録”だ。浦和と違う点を挙げれば、サポーターが求める優勝という目標に届かなかった末での監督交代である浦和に対し、清水の場合、いわゆる“尻に火が付いた”状態での監督交代が目立つ点だろうか。
2度目のJ2を戦い、昇格プレーオフで敗れた2023シーズン末、秋葉忠宏監督を続投させた人事には、“解任慣れ”した清水サポーターは驚いただろう。しかし翌2024シーズンにJ2優勝を果たし、J1を戦う今2025シーズンも堂々たる戦いぶりを見せているとあって、その決断は誤っていなかったと感じさせる。
そのキャラクターから“体育会系”の指揮官に見られがちだが、フォーメーションも臨機応変で、可変式システムも多用するなど“隠れた戦術家”の顔も持ち合わせている秋葉監督。サッカーの中身にも厳しい清水サポーターからも支持されていることで、当分は安泰だろう。

柏レイソル(1995シーズン以降のべ19人)
今2025シーズン、徳島ヴォルティス(2017-2020)、浦和レッズ(2021-2022)の監督を歴任したスペイン人指揮官、リカルド・ロドリゲス監督を新指揮官に迎え、好調な序盤戦を戦っている柏レイソル(現時点2位)。
柏の監督といえばネルシーニョ監督の名が最初に浮かぶが、実際、2度就任し(2009途中-2014、2019-2023途中)、J1(2011)天皇杯(2012)ルヴァン杯(2013)とタイトルをもたらしたとあって、今でもサポーターからは“クラブ史上最高の監督”と認識されている。
問題はその他の監督だ。JFL時代、元ブラジル代表FWカレカとミューレルを獲得し、ブラジル路線をひた走っていた柏だが、ネルシーニョ監督以外のブラジル人監督で成功と呼べるのはニカノール監督(1996-1997)のみ。しかし1998シーズン、ヴェルディ川崎から引き抜かれてしまう。
日本人監督で成功と呼べるのは、クラブ初タイトルとなる1999年のナビスコ杯(現ルヴァン杯)を獲得した西野朗監督(1998-2001途中)と、J2時代の2006シーズンに就任し、1年でのJ1復帰に導いた石崎信弘監督(2006-2008)の2人くらいだ。
内部昇格の形で就任した吉田達磨監督(2015)も下平隆宏監督(2016途中-2018途中)も短期で退任し、皮肉なことに他チームで手腕を発揮した。
シーズン途中での監督交代は9回を数え、未だにネルシーニョ監督時代の“幻影”を追っている感のある柏。徳島時代にはJ2優勝(2020)、浦和時代には天皇杯優勝(2021)に導いたロドリゲス監督が柏にタイトルをもたらせれば、その幻影からサポーターを解放させるだけではなく、次期日本代表監督候補にも名前が挙がる可能性すらある。
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