ラ・リーガ レアル・マドリード

ジダンの再来!ジュード・ベリンガムのプレースタイルまとめ

ジュード・ベリンガム 写真:Getty Images

2023年からレアル・マドリードに所属するイングランド代表MFジュード・ベリンガム。プレーに貫禄があり、なんの前提知識もなければ20代後半の脂ののった選手のように見えるところだが、実はまだ21歳だ。

多くの偉業を成し遂げたマドリードのレジェンド(2001-2006、監督2016-2021)でもある元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンと、プレースタイルがよく似ているとされ、マドリードでは同じ背番号5番を背負うベリンガム。クラブがジダンの再来を期待している現れだろう。

ここではベリンガムのプレースタイルをまとめ、ジダンとの類似点を挙げてみよう。


ジュード・ベリンガム 写真:Getty Images

究極の万能型MF

ベリンガムは、身体能力が高く技術力があり戦術眼にも優れ、中盤のどこでも高いパフォーマンスを発揮する。右利きだが左足のキックも得意。点も取れればアシストもできて、守備が強固なのだから言うことがない。

ゆるい感じを好むようで、ソックスのふくらはぎ部分に切れ目を入れて、脚への圧力を和らげていることも特徴的だ。

パワフルながらも柔らかいドリブルでは、状況に応じてシザース(フェイントテクニック)をすることがあるが、左右に身体を大きく振るというよりは、滑らかに自然体でフェイントを繰り出す。相手と五分五分の体勢に持っていければ十分で、あとはスピードとフィジカルでねじ伏せられるため、あえて相手の体勢を大きく崩す必要がない。

走るストライドは大きいがボールタッチが細かく相手の動作がよく見えており、さり気なく相手の逆をつく。間合いを寄せると股抜きされるし、体当りすると弾き飛ばされる。大げさなテクニックを披露するわけではないが、抜群のセンスで身体を入れ替えて突破していく。

身長が186cmあり空中戦の競り合いにも強い。ゴール前では両足と頭、どこからでも得点を狙える。ペナルティエリア付近ではミドルシュート。中盤では決定的なラストパスを繰り出す。弾丸のように強烈な勢いのあるボールを打ったかと思えば、山なりのループ、足のインサイドやアウトサイドで回転をかけた変化球などを巧みに使い分ける。

高い身体能力は守備で直に生きてくる。素早いインターセプトやデュエルでの激しいタックルは見事だ。

Previous
ページ 1 / 2

名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

筆者記事一覧