EURO イングランド代表

EURO決勝進出のイングランドが団結する理由

オリー・ワトキンス(左)マルク・グエイ(右)写真:Getty Images

日本時間7月11日にドイツ、ドルトムントのヴェストファーレン・シュタディオンで、UEFA欧州選手権(ユーロ2024)準決勝イングランド代表対オランダ代表の試合が行われた。

試合はオランダが先制するもイングランドが2点を決めて逆転勝利(2‐1)。2大会連続で決勝進出のイングランドは、7月15日にスペイン代表との決勝戦を迎える。

ここではユーロ準決勝イングランド対オランダの試合を振り返り、イングランドが団結する理由に迫る。


シャビ・シモンズ 写真:Getty Images

隙を突きオランダが先制

イングランド対オランダ。試合7分に中盤でMFデクラン・ライス(アーセナル)のボールを奪ったオランダのMFシャビ・シモンズ(ライプツィヒ)が短いドリブルをすると、ペナルティエリアの外から右足でロングシュート。一直線に飛んだボールはゴール左上隅に突き刺さり、オランダが先制した(0-1)。

攻めるしかなくなったイングランドは、13分に左サイドからの横パスを中央で受けたFWハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン)がトラップから右足でシュートするもGKがセーブ。14分には、右サイドからFWブカヨ・サカ(アーセナル)がドリブルでカットインし左足でシュートもオランダ守備陣にブロックされ、そのセカンドボールをケインが右足ボレーもクロスバーの上に外れる。

ケインはそのまま倒れ込み、しばらく立ち上がれない。するとVARによりオランダのDFデンゼル・ダンフリース(インテル)が足の裏でケインの右足を蹴っていたことが明らかになり、イエローカードが提示されてPKの判定。立ち上がったケインが18分にそのPKを自ら右足で蹴ると、低い弾道のボールはGKが反応するも触ることができずにゴール左隅に決まった(1-1)。

32分には、右サイドのサカからショートパスを受けた中央のMFフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)が左足シュートも左ポストに当たり外れる。39分には再びフォーデンが左足シュートもオランダGKがセーブした。


ガレス・サウスゲート監督 写真:Getty Images

サウスゲート監督の采配がドンピシャ

79分には、フォーデンのパスから右サイドに走り込んだDFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)がクロスし、サカのシュートがゴールネットを揺らす。イングランドが勝ち越しかと思われたが、ウォーカーがオフサイドの判定。

88分にはMFコール・パルマー(マンチェスター・シティ)がペナルティエリアの右から左足でシュートも枠を外れる。

延長戦かと思われた90+1分、パルマーの縦パスを中央から右に流れながら受けたFWオリー・ワトキンス(アストン・ビラ)が振り向きながら右足でシュート。ボールはマークしていたオランダのDFステファン・デ・フライ(インテル)の股間を抜けて、ゴール左に突き刺さる。イングランドが勝ち越すと、間もなく試合が終了した(2-1)。

イングランドの逆転弾とアシストはいずれも途中出場の選手で、ガレス・サウスゲート監督の采配が的中した試合だった。

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名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

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