大岩剛監督率いるU23日本代表がパリ五輪出場を決めた傍ら、U23韓国代表はAFC U23アジアカップ準々決勝でインドネシア代表に敗れて、40年ぶりに本大会出場を逃した。両国代表が対照的な結果となっただけに、韓国メディアは日本の計画的な若手選手育成に着目している。
韓国紙『京郷新聞』は今月30日に「ライバルである日本のパリ五輪出場が決定。韓国は変化の必要性に迫られている」という見出しのもと、韓国サッカー界の抱える問題を分析。昨年秋に行われた第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)のメンバー構成に焦点を当てている。
同大会では、韓国がMFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)をはじめA代表招集歴のある一部選手を招集。決勝で日本を2-1と下し、金メダルを獲得するとともに兵役免除も達成した。一方、日本はMF久保建英(レアル・ソシエダ)やGK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)らが不在の中、Jリーガーや大学生中心のメンバー構成に。日本サッカー協会(JFA)は「アジア競技大会の男子サッカー競技はU24年代の選手たちに加えて最大3人のオーバーエイジ選手を起用できる大会レギュレーションとなっていますが、日本は若い世代の強化を目指し、この大会にパリオリンピック2024を目指すU22代表で参加しています」と、公式サイトを通じて説明していた。
この日本のメンバー構成を巡っては、「大学生が8人含まれており、2軍メンバーとみられる。それでも韓国は日本を最大のライバルとして認識している」という日本の一部報道に対して、『CBS』をはじめ複数の韓国メディアが「根拠のない報道」と反発。決勝後にも、日本の一部報道に否定的な見解を示すなど、韓国国民の感情を煽っていた。
しかしU23アジア杯で明暗が分かれると、杭州アジア大会の日本代表メンバーに対する論調は一変。『京郷新聞』は「杭州アジア大会は満24歳まで参加可能だったが、日本は22歳以下のメンバー構成で大会に臨んだ。2年後にそのメンバーが五輪に参加して、最高成績を狙うという考えがあった」と日本の意図を汲み取ると、「韓国にとっては、兵役免除がかかった数少ない大会だった。ただ、大会の重さを踏まえると、日本のような2軍のメンバー構成は必要な選択だと評価できる」と主張。杭州アジア大会期間中の批判とは真逆の論調を展開したのだ。
なお、『京郷新聞』は「韓国にとって必要な変化」として、U23アジア杯開幕直前に欧州組で参加辞退者が続出したことを踏まえて「海外でプレーする選手の管理体制の見直し」を挙げたほか、DFジャスティン・ハブナー(セレッソ大阪)をはじめ帰化選手を複数抱えるインドネシアに敗れたことから「ハーフ選手の招集」を検討するよう提案している。
コメントランキング