
新エース小森の存在
2024シーズンの千葉を語るうえでやはり欠かせないのは「ちばぎんカップ」で2年連続の先制点を決めた小森の存在だろう。小森は豊富な得点パターンをもっており、そのポテンシャルは確かなものではあったが、2023シーズンまではルーキーという壁に守られていたことも事実だ。
ブレイクしたてである23歳の若武者に、昇格へのボルテージが最高潮に達したチームの10番を背負わせることに対する懸念もあった。しかしいらぬ心配であったということが、同試合で見せた勝負強さで明らかになった。試合開始して間もなく左肩を痛め一時は途中交代も考えられた小森は、サポーターの不安をよそにプレーを続行。37分に髙橋がミドルシュートを放つと、そのこぼれ球にいち早く反応し、貴重な先制点を奪った。
2023シーズンに13得点を決めてチームのエースに躍り出た小森の残留は、J1昇格の可能性をより一層たぐりよせるものだ。その一方で小森が肩を痛めた際に感じたような不安は、シーズン中ずっと続くものだろう。重圧を背負った新エースがどこまでやれるかを見極めるとともに、小森だけに依存しない得点パターンを構築していきたいところだ。

J1昇格のために必要なこと
2024シーズンを通しては、小森に依存しない攻撃ができるかどうかという懸念とともに「ちばぎんカップ」で見せたような運動量の高いサッカーをどれだけモチベーション高く継続することができるかにも注目したい。
小森や髙橋、田中といった若手選手たちが台頭してきている一方で、DF鈴木大輔や田口、風間など主力選手の多くが30代に突入しているジェフ。年齢を感じさせないプレーを披露している同選手たちではあるが、昇格へ向けたタフな試合は続くことを考えればベテランの負担を最小限に抑えたい。
短期的・長期的な未来のためにも、同試合でプロデビューを果たした久保庭のような新戦力を発掘し、若手にもチャンスを与えるようなシーズンにしていきたい。
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