10月11日に開催されたルヴァン杯準決勝第1戦で、アビスパ福岡はホームのベスト電器スタジアムで名古屋グランパスと対戦し1-0で勝利した。決勝進出を賭けた第2戦は、15日15時から豊田スタジアムで行われる。福岡は引き分け以上、名古屋は2点差以上の勝利で、決勝進出となる。
ここでは、第1戦における福岡の勝因と、第2戦に向けてのカギを考察したい。
天皇杯準決勝から中2日の福岡
10月8日に行われた天皇杯準決勝で、福岡はアウェイで川崎フロンターレとの戦いに2-4で敗れた。長谷部茂利監督はリーグ戦に多く出場する選手たちを起用したが、目標であるタイトル獲得の機会を1つ失うこととなってしまった。
同試合からルヴァン杯準決勝第1戦まで、わずか中2日。さらに第2戦までは中3日という過密日程の福岡。対する名古屋はリーグ戦から中10日で第1戦を迎えており、コンディションには大きな差が生じることが予想された。
メンタル面、フィジカル面ともに難しい、かつ重要な準決勝第1戦で、長谷部監督はこれまで通りの信条を貫いた。川崎との試合からキャプテンのDF奈良竜樹のみを残し、スタメン10人を入れ替え。選手を大幅に入れ替えることを一般的にはターンオーバーと呼ぶが、福岡にその概念はない。常にコンディションを重視し、その日のベストメンバーで戦う。
ルヴァン杯ではここまで実際に、この第1戦に出場したメンバーを積極的に起用しながらベスト4まで勝ち上がってきた福岡。積み上げてきた経験値を示すかのように、選手たちは躍動した。前半アディショナルタイム、ルーキーのFW鶴野怜樹がこの大会3点目となるゴールを奪い、この1点が決勝点となった。
長谷部監督が試合後「中2日48時間でゲームに出ることは相当に難しい」とコメントしたように、90分間走り回るサッカーにおいてあまりに厳しいスケジュールだったが、地道に積み上げてきた選手層で、良い形で第2戦へと繋ぐことに成功した。
10人入れ替えでコンディション面優位に
ルヴァン杯準決勝は、第1戦と第2戦を合わせた180分間の戦いだ。福岡は第1戦を終え、スコアの面に加えてコンディション面でも少しのアドバンテージを得たと言える。前述のように天皇杯準決勝川崎戦からスタメン10人を入れ替えたことで、川崎戦にスタメン出場した選手たちの出場時間を抑えることに成功したためだ。
第1戦で福岡は、本来のボランチではなく1列前のシャドーの位置で攻守に貢献していたMF平塚悠知の負傷によって、川崎戦出場のMF紺野和也が前半37分から急遽出場となったが、紺野は後半32分にFW山岸祐也と交代。紺野は精度の高いクロスでアシストを記録しており、決してプレー内容が悪かったわけでない。イエローカードを1枚受けており、第1戦に勝ち切るため、そして第2戦を見据えてのものだった。
奈良を除いた10人のうち、もっとも長く出場した紺野でさえ出場時間は約40分間となった第1戦。つまり川崎戦に出場していた選手たちは敵地名古屋での第2戦を良いコンディションで迎えられる。そして長谷部監督は再び、その日のベストメンバーでスタメンを組む。
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