Jリーグ ヴィッセル神戸

首位陥落の神戸、柏戦で勝ちきれなかった要因3選【J1リーグ2023】

柏レイソル MFマテウス・サヴィオ 写真:Getty Images

要因2:右サイドを封じられていた

いつもの神戸なら、右サイドでFW武藤嘉紀がボールをキープすることで時間を作り、そこへDF酒井高徳が絡んでくる。同試合ではそのシーンを見ることができなかった。

後半の48分、柏にチャンスがあったシーンでは、スペースを狙った酒井のランニングに対し柏のサヴィオが全速力で下がってパスカットし、そのまま攻撃に繋げた。サヴィオが神戸の右サイドを封じたと言っても良いだろう。サヴィオの同試合における走行距離は9.6Km。スプリント回数(時速25km以上で1秒以上走った回数)は19回と、出場選手のなかでもトップクラスを記録。守備にも攻撃にも顔を出した同選手に右サイドを封じられ、神戸は攻撃の手段を失った。


ヴィッセル神戸 FW大迫勇也 写真:Getty Images

要因3:前線のターゲット不足

また、神戸にとって大迫不在の状態では難しいことを痛感する試合となった。当然、先発したFWジェアン・パトリッキや武藤が代役となることは可能であろう。しかし、今シーズンの吉田孝行監督下における堅守速攻スタイルの神戸の戦術から考えると、大迫の代役を担うのはかなりハードだ。

大迫のような前線のターゲットがいなくなると、得意としているクロスからの攻撃を活かすことができず、メインの得点パターンを失うことを意味する。武藤が前線のターゲットとなるか、今夏新たに加入したMF新井瑞希やMF日高光揮が違う攻撃のカラーを出すことができるか。吉田監督の手腕が問われる局面である。

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名前:KIRA

趣味:サッカー、筋トレ、ワイン
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大学までサッカーを現役でプレー、今は会社員として週末に社会人リーグでプレー。戦術解説をメインに皆さんにサッカーを「もっと好き」「もっと楽しんでもらえる」をモットーに頑張ります!

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