第9回FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会が、いよいよ7月20日に開幕を迎える。これに先立ち、同月14日にはユアテックスタジアム仙台で国際親善試合MS&ADカップ2023(日本テレビ系で19:05から生中継)が行われ、なでしこジャパンこと日本女子代表はパナマ女子代表と対戦。試合後にはW杯の壮行セレモニーも執り行われる予定だ。
今W杯では、出場全32ヶ国のうち8ヶ国が初出場。それら初出場国の動きに注目が集まりそうだ。ここでは初出場国であるフィリピン、ポルトガルを含めた、各国のユニークなユニフォームとあまり知られていないデザインコンセプトに焦点を当てたい。初出場2カ国に加え、強豪国として名高いフランス、イングランド、アメリカ、そして我らが日本、全6ヶ国のユニフォームを独自の視点からご紹介しよう。
フィリピン(FIFAランク53位/W杯グループA)
ユニフォーム製造元:アディダス
素材:詳細未公開(※2023年7月5日時点)
W杯出場各国が続々とユニフォームを発表している中で、初出場フィリピンは5月16日にようやく正式にお披露目となった。国旗に基づいた赤・青・白・黄の鮮やかな色合いのユニフォーム。このホームユニはメインに青色が採用され、タガログ語で「キックと忍耐力(Sipa at Tiyaga)」の意味が込められている。ちなみに白メインのアウェイユニは「新しいステージ(Ang Bagong Yugto)」、赤メインのサードユニが「燃える心(Alab ng Puso)」だ。
ポルトガル(FIFAランク23位/W杯グループE)
ユニフォーム製造元:ナイキ
素材:100%リサイクルプラスチックボトル由来成分(再生ポリエステル)
フィリピン同様W杯初出場となるポルトガル。ホームユニのメインテーマは「新しい発見に向かって、新しい冒険に向かって」。キリリとした赤と緑のメインカラーはやはり国旗から採用されていて、サイドに大胆な太めのラインが入っている。このユニークな色の切り返しには、活気に満ちた若々しいエナジーが表現されている。エンブレム、色合い、シンプルながらこだわりがあるデザインは、ファッショナブルで高級な雰囲気を漂わせている。
フランス(FIFAランク5位/W杯グループF)
ユニフォーム製造元:ナイキ
素材:100%ポリエステル(通常ポリエステル)
フランスのユニは、非常にシンプルで地味な印象を与えそうだが、含まれる意味はとても奥深い。製造元のナイキは、ホームとアウェイいずれにも、選手の若さと欧州連合(EU)の文化の多様性の尊重をデザインに落とし込んだ。ホームユニのメインカラー水色は、1920年4月30日に初めてフランスで女子選手がイングランドと試合をし、歴史的な観客動員数2万5千人を記録した際のユニ(水色と薄紫色)に基づいている。当時まだ「代表チーム」という正式な括りは存在せず、サッカーをやりたいと団結した女子選手が行った初めての非公式の試合だった。歴史的な背景を背負い、勝利に向かって突き進む現代の強豪フランスは、果たしてチャンピオンの座を奪えるだろうか。
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