2023年現在、J1リーグからJ3リーグまでの3部制で実施されている明治安田生命Jリーグ。2014年にスタートしたJ3は今年10年目を迎え、経験を積みながらJ1までカテゴリーを上げる選手も珍しくなくなってきた。
ここでは、2023シーズンをJ1で戦っている選手の中で、過去にJ3でプレーした経験を持つ代表的な11人を紹介する(期限付き移籍やU-22チーム所属などは除く)。
GK上福元直人(川崎フロンターレ)
2023シーズンに加入した川崎フロンターレで、J1第9節(4月23日)の浦和レッズ戦からゴールマウスを守っているGK上福元直人。2016シーズンから川崎のゴールマウスを守っているGKチョン・ソンリョンと五分のポジション争いを見せている。
順天堂大学から2012年に当時J2の大分トリニータへ入団。2015シーズンの成績不振によりチームが降格したため、2016シーズンをJ3で戦った経験を持つ。このシーズン前半戦でレギュラーを経験し、翌年にはシーズンを通して主力に定着。2020シーズンに加入した徳島ヴォルティスが翌年J1昇格となったことで、初めてJ1クラブの守護神となった。
瞬時の判断力に優れ、飛び出しに躊躇は感じられない。足元の技術も高く、ビルドアップに参加しても安定している選手だ。
GK村上昌謙(アビスパ福岡)
2020シーズンのアビスパ福岡への移籍が、その後のキャリアに大きく影響を与えているGK村上昌謙。
大阪体育大学から入団したレノファ山口で、1年目の2015シーズンにJ3を経験している。山口時代も、その後移籍した水戸ホーリーホックでも主力には定着できなかったが、水戸で長谷部茂利監督と出会い、同監督がアビスパ福岡に就任した2020シーズン、村上も福岡に移籍した。
福岡がJ1に復帰した2021シーズン、村上のキャリアで初めて年間を通して守護神に定着した。ミスの少なさに加え、コーチングで味方を動かす能力に優れている。明るい性格で、自身が出場していない時もチームを盛り上げることを欠かさないムードメーカーでもある。
DF岡村大八(北海道コンサドーレ札幌)
センターバックとして重要なフィジカル能力に優れ、地上戦、空中戦ともに優位に戦えるプレーヤーDF岡村大八。2021シーズンから所属する北海道コンサドーレ札幌でその優位性をさらに進化させ、今2023シーズンここまで全試合にスタメン出場している。
立正大学から、2019シーズンに当時J3のザスパクサツ群馬に加入。翌2020シーズンにチームがJ2に昇格すると、この年全試合に出場し高い評価を受けた。
ハードな守備をみせながら警告や退場となる回数が少なく、チームにとって計算の立つ選手でもある。
DF井上黎生人(京都サンガ)
ここに挙げる11選手の中で、最もJ3所属期間が長いDF井上黎生人。鹿児島実業高校から2015シーズンにJ3のガイナーレ鳥取へ入団し6年間所属。2018シーズンからは鳥取の主力に定着し評価を得た。
2021シーズンに満を持してJ2のファジアーノ岡山へ移籍すると、翌年にはJ1京都サンガへ。この2年、急角度でカテゴリーを上げた井上は定位置確保にも成功しており、今や完全にJ1の選手となった。
センターバックに求められるスキルすべてが安定しており、非常にバランスの良い選手という印象だ。今2023シーズンは6月11日の第17節を終えたここまで全ての試合に出場しており、DF麻田将吾と組むセンターバックは「京都の鉄板コンビ」と言える。
MF飯野七聖(ヴィッセル神戸)
コンディションが万全ならば日本代表入りも決して不可能ではない能力の持ち主、MF飯野七聖。ヴィッセル神戸で見せる持ち前の推進力と突破力はJ1でも規格外だ。
国士舘大学から2019シーズンに当時J3のザスパクサツ群馬へ入団し、プロキャリアをスタートさせた飯野。1年目から出場を重ね、翌年にはチームの昇格に伴いJ2の舞台へ。翌々年の2021シーズンにはサガン鳥栖に移籍しJ1リーガーとなった。サクセスストーリーはそこからも止まらず、鳥栖での1年半で選手としての評価を確固たるものにすると、2022年の夏に神戸へと移籍した。
しかし、神戸移籍後は負傷を繰り返し実力を発揮できているとは言い難い。状態さえ整えばさらに上を狙える実力者だけに、後半戦での復活を期待したい。
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