誕生から2シーズン目を迎えたWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)は、6月10日に開催される第22節を最後に2022/23シーズンの幕を閉じる。6月3~4日に行われた第21節の試合では、初優勝をかけた三菱重工浦和レッズレディースと、上位を狙う大宮アルディージャVENTUSとの重要な一戦が行われた。
試合開始24分、ボールをフワリと浮かせ難易度の高い先制ゴールを決めた浦和のMF猶本光。そのゴールがチーム全体を牽引したかのように、45分にFW島田芽依がゴール前シュート。続いて60分にはFW清家貴子がロングシュートを決め、前半の内に見事3得点をあげた。後半でもぶっちぎりの清家が見事なドリブルで相手GKをすり抜けシュート。結果4-0と大宮に大差をつけ貫禄の強さで浦和が勝利した。
この時点で勝ち点49となった浦和は、最終節を残した状態でリーグ初優勝を確定させた。リーグを制した選手達は王者の燃え上がる気迫をまとい、美しいガラスのトロフィーを天に掲げ歓喜の笑顔で喜びを分かち合った。
WEリーグの面白さは、試合や優勝までの軌跡だけではない。スタジアムでのイベントや、選手自らも企画に加わる「WE ACTION DAY(理念推進日)」など、ネット視聴では味わえない体験型イベントも多く、見逃せない魅力が溢れている。来2023/24シーズンもっと多くの人に知ってもらえるよう、ここではWEリーグをより楽しむための3つのポイントを紹介しよう。
ポイント1:お気に入りの選手やクラブを見つけよう!
言うまでもなく王道の楽しみ方だが、やはり応援したい選手やクラブがあればシーズン全体を通してリーグをより楽しめるのは間違いない。例えば地元にクラブが存在する場合、応援するきっかけは生まれやすいだろう。実際、スタジアムにいるファンに興味を持ったきっかけを訊ねたところ「地元にクラブがあったから」と答える人がほとんどだった。
では、日本全国に同リーグ所属クラブがどれくらい存在するかご存知だろうか?2022/23シーズンでは、宮城1クラブ(マイナビ仙台レディース)、埼玉3クラブ(三菱重工浦和レッズレディース、大宮アルディージャVENTUS、ちふれASエルフェン埼玉)、千葉1クラブ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)、東京1クラブ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、神奈川1クラブ(ノジマステラ神奈川相模原)、長野1クラブ(AC長野パルセイロ・レディース)、新潟1クラブ(アルビレックス新潟レディース)、兵庫1クラブ(INAC神戸レオネッサ)、広島1クラブ(サンフレッチェ広島レジーナ)と、9つの地域に全11クラブが存在している。
2023/24シーズンからは、大阪のセレッソ大阪ヤンマーレディースが新たに加わり、全12クラブとなる予定だ。もし地元にクラブがない場合は、気になる選手を見つけてみよう。WEリーグの公式ホームページやYouTubeチャンネルは、試合のハイライトやインタビューだけにとどまらず選手1人1人に着目したユニークな視点の動画も多く発信しており、時間を忘れてつい何度も再生してしまう。見ているうちに、美しいプレーや気になる選手にきっと出会えるはずだ。
ポイント2:WE ACTION DAYは要チェック!
WEリーグは、試合以外にも選手発案イベントに参加できるのが醍醐味のひとつ!開幕年からこれまで11クラブで戦ってきた同リーグは、シーズン期間中の各節試合のないチームが発生する。そこで、その日を「WE ACTION DAY」に設定し、同リーグの理念である「多様性社会の実現を目標にした活動」を選手主体で企画・考案しイベントを開催している。
今シーズンは全22回の活動が行われ、男女平等、ジェンダー、環境、ダイバーシティー、貧困など複数のテーマに基づき、選手がアイデアを持ち寄り構築していった。例えば、子どもたちを対象としたサッカー教室で選手が直接指導したり、トイレのマークに着目したジェンダー平等の座談会を開催したり、途上国のサッカーチームと国を越えて交流会を行いユニフォームを寄付するなど、その内容は多岐に渡る。これらの中には一般公募で参加可能な活動もあり、今まで参加したファンを含め学生や子どもたちにとって、選手と直に交流し意見交換を行える貴重な時間となっている。
来シーズンから12クラブとなり、これまで自動的に発生していた「試合のない日」が消滅するため、「WE ACTION DAY」がどのように設定されるのかも気になるところ。開幕後のスケジュールをチェックし、社会の未来とつながる「WE ACTION DAY」に参加してみてはどうだろう?
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