1993年に開幕したJリーグは今年(2023年)で30周年を迎えた。現在では全60ものクラブがJ1~J3リーグに所属し、毎年、優勝や昇格残留をかけてしのぎを削っている。今のところ絶対的なクラブは存在せず、少しでも気を抜けば下のカテゴリーへとすぐ降格してしまうスリリングさを持ち、同様に上のカテゴリーに残り続ける難しさもあるところが魅力の1つといえる。
そんな群雄割拠のリーグだが、過去の順位表から1つの傾向が見えてきた。ここでは5年、10年、20年、30年と過去の順位表を振り返り、J1で継続的に上位争いをするクラブの傾向をまとめた。
【5年前】2018シーズンのJ1リーグ順位表
順位:チーム(勝ち点)
- 川崎フロンターレ(69)
- サンフレッチェ広島(57)
- 鹿島アントラーズ(56)
- 北海道コンサドーレ札幌(55)
- 浦和レッズ(51)
- FC東京(50)
- セレッソ大阪(50)
- 清水エスパルス(49)
- ガンバ大阪(48)
- ヴィッセル神戸(45)
- ベガルタ仙台(45)
- 横浜F・マリノス(41)
- 湘南ベルマーレ(41)
- サガン鳥栖(41)
- 名古屋グランパス(41)
- ジュビロ磐田(41)
- 柏レイソル(39)
- V・ファーレン長崎(30)
川崎フロンターレが2連覇を達成した2018シーズン。順位表が2023シーズンのものだと言われても、ほとんど違和感のない上位陣である。川崎を筆頭に、サンフレッチェ広島、鹿島アントラーズなど近年上位争いの常連クラブが名を連ねている。
下位まで見ても、2018年にJ1所属で、現在J2以下なのは清水エスパルス、ベガルタ仙台、ジュビロ磐田、V・ファーレン長崎の4クラブのみである。反対に、2018年はJ1に入っておらず、現在J1に所属しているのはアビスパ福岡、アルビレックス新潟、京都サンガ、横浜FCの4クラブだ。
2023シーズン第14節終了時点の順位表を見ると、この4クラブのうちトップハーフ(9位以上)にいるのは9位のアビスパ福岡のみ。急激に力を付けることが、そう簡単でないことを示す結果となっている。
【10年前】2013シーズンのJ1リーグ順位表
順位:チーム(勝ち点)
- サンフレッチェ広島(63)
- 横浜F・マリノス(62)
- 川崎フロンターレ(60)
- セレッソ大阪(59)
- 鹿島アントラーズ(59)
- 浦和レッズ(58)
- アルビレックス新潟(55)
- FC東京(54)
- 清水エスパルス(50)
- 柏レイソル(48)
- 名古屋グランパス(47)
- サガン鳥栖(46)
- ベガルタ仙台(45)
- 大宮アルディージャ(45)
- ヴァンフォーレ甲府(37)
- 湘南ベルマーレ(25)
- ジュビロ磐田(23)
- 大分トリニータ(14)
サンフレッチェ広島が優勝した10年前の2013シーズンまで戻ってみても、意外なほどに変化は少ない。現在J1に所属していないのは清水エスパルス、ベガルタ仙台、大宮アルディージャ、ヴァンフォーレ甲府、ジュビロ磐田、大分トリニータの6クラブ。そのいずれもが2013シーズンは9位以下と上位争いに絡めず、多くが残留争いに巻き込まれていた。その後、降格の憂き目にあっており、定位置から抜け出し徐々に順位を上げることの難しさが分かる。
【20年前】2003シーズンのJ1リーグ順位表
順位:チーム(勝ち点)
- 横浜F・マリノス(58)
- ジュビロ磐田(57)
- ジェフユナイテッド市原(53)※現在のジェフユナイテッド市原・千葉
- FC東京(49)
- 鹿島アントラーズ(48)
- 浦和レッズ(47)
- 名古屋グランパスエイト(45)
- 東京ヴェルディ1969(40)
- セレッソ大阪(40)
- ガンバ大阪(39)
- 清水エスパルス(39)
- 柏レイソル(37)
- ヴィッセル神戸(30)
- 大分トリニータ(26)
- ベガルタ仙台(24)
- 京都パープルサンガ(23)※現在の京都サンガ
横浜F・マリノスが制した20年前の2003シーズンまで戻ると、ようやく大きな変化が見られる。この年上位に入っていたクラブのうち、ジュビロ磐田とジェフユナイテッド市原は現在J2に所属している。
また、現在J1上位争いの常連である川崎フロンターレの名は見当たらない。ちなみに川崎は2004年に2度目のJ1昇格を達成。しかしその後はなかなか優勝できず、2位止まりが多かったため「シルバーコレクター」と揶揄されるほど。悲願のJ1優勝は2017まで待たなければならなかった。
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